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≪新看護学 5≫

専門基礎[5]

保健医療福祉のしくみ 看護と法律
(第18版)

執筆:田中 良明/工藤 恵子/高橋 郁子/猪股 久美/尾之上 さくら/森山 幹夫

  • 判型 B5
  • 頁 272
  • 発行 2018年02月
  • 定価 2,160円 (本体2,000円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03446-3
本書の特徴
毎年改訂を行い、最新の法制度の変更を内容に盛りこんでいます。
この分野で看護者に必要な基本的知識を網羅したうえで、簡潔でわかりやすい記述を心がけました。また、過去の准看護師試験の出題を精査し、内容にもれがないようにしています。
「保健医療福祉のしくみ」は、健康、保健、医療、福祉とステージごとに構成しています。それぞれの概念と最新の動向を押さえ、関連する制度がイメージできるような内容になっています。学習を終えれば、わが国の保健医療福祉制度の全体像がひと通りつかめるはずです。
「看護と法律」は、看護の中心となる法令から周辺の法令まで、系統立てて学習できるよう章・項目を再構成しました。難解な条文も、できるだけわかりやすく解説することを心がけています。
序 文
はしがき

看護を取り巻く環境
 私たちを取り巻く社会は目ざましい発展をとげ,治療法や医療技術,医療情報処理装置などの進歩も日々とどまるところを知らない。しかし一方では,高齢化・少子化の著しい進行と疾病構造の変化,労働力人口の逓減,世界規模での経済的な環境の変化など...
はしがき

看護を取り巻く環境
 私たちを取り巻く社会は目ざましい発展をとげ,治療法や医療技術,医療情報処理装置などの進歩も日々とどまるところを知らない。しかし一方では,高齢化・少子化の著しい進行と疾病構造の変化,労働力人口の逓減,世界規模での経済的な環境の変化など,広く社会構造に根ざし,医療界に波及する大きな問題が重くのしかかっている。
 それに伴って保健医療においても,法律・制度面だけでなく,業務の内容・運用や従事者の教育方針に関して真剣な検討や対応を迫られており,看護業務あるいは看護教育のあり方にもその影響が及びはじめている。
 このように情勢が大きくかわろうとしているいま,みなさんは「看護」という専門領域に進もうとしている。

看護の役割と「専門基礎科目」
 看護とは,「病んでいる」人間,つまり病人(患者)を対象とし,その生命の維持,健康への回復を援助する専門業務である。病人は,正常な身体機能に異常をきたした人である。そのような病人を対象としたとき,看護技術を単に覚えたというだけでは,本当の看護は実践できない。病人の身体の内部で生じている異常の意味を科学的に理解し,病人が示す症状や状態がなにに,どのように由来するのかということを追究しようとする姿勢が,看護実践の背景として必要とされるのである。
 「専門基礎科目」は,医学・生物学領域の知識の習得を通して,病人を正しく,正確に見る基礎を養うことを目的としている。学ぶ内容は,正常な人体のしくみ(身体の構造・解剖)とはたらき(機能・生理),およびそれらが異常をきたした場合(疾患),異常のおこり方や原因(病態生理),あるいは疾患からの回復を促進する方法(治療)などである。また,看護を行うにあたっては,倫理や心理に関する知識や,保健医療福祉のしくみ,看護に関係する法律について学ぶことも重要である。
 本書をもとに十分に学習し,しっかりとした知識を土台として,病む人の状態や心理が理解できる看護職者になられることを願ってやまない。

改訂の経過とカリキュラムの変遷
 本書は,1970(昭和45)年に准看護学生のための教科書として初版が刊行された。以来,その役割とその重要性に鑑みて,医学・看護学および周辺諸科学の発展・分化や,社会の変化などをいち早く読み取りながら,定期的に改訂を重ね,看護の質の向上に資するべく対応してきた。さらに,教科内容の設定なども含めて,あえてこれを教科書に具体化して示してきた。
 2002(平成14)年4月に行われたカリキュラム改正では,以前に増して総授業時間数が大幅に引き上げられる一方,「看護と倫理」「患者の心理」や「精神看護」などの新たな教科が追加された。新設の教科は講座に取り込み,また授業時間数が大きく増えた「専門基礎科目」の各教科とも,情報・記載量などを考慮して改訂を行った。さらに,2014(平成26)年からは学習者の利便を考慮し,法制度の改正内容などを十分に反映できるように,本書においては毎年改訂をはかることとしている。これにより記載内容は読者のニーズに合ったものとなっている。これからもより学びやすい教科書づくりに毎年努めていきたい。

改訂の趣旨
 「保健医療福祉のしくみ」は,現在のわが国の保健,医療,福祉の制度の全体像が理解されることを主眼としている。人は疾病や障害により健康だけでなく生活もそこなう。看護職を目ざすみなさんが,患者の社会的な背景を理解し,幅広い視点で看護を実践できるよう,看護にかかわりが深い制度に重点をおくなど,構成を工夫したつもりである。
 「看護と法律」は,看護に携わる者にとって最も重要な法である保健師助産師看護師法から説き,順次周辺に広げるよう医事法,保健衛生法,薬務法,環境衛生法・環境法,社会保険法,福祉・生活・社会基盤に関する法の順番で各関係法令を掲載している。第18版では,地域の医療と介護を確保する地域包括ケアシステム・地域共生社会の構築の動き,介護医療院制度の創設,助産所規定の充実,医療広告の規制,通信制看護師養成所入学資格における准看護師実務経験7年への短縮,医療保険・介護保険諸制度の改正などをふまえて改訂を行った。
 本書は,准看護師教育だけでなく,広く看護学の学習内容にも配慮した有用で使いやすい教科書を目ざしていく所存である。本書を准看護師教育にご活用いただき,各位の忌憚ないご意見をお寄せいただければ幸いである。

 2018年2月
 著者ら
目 次
保健医療福祉のしくみ
第1章 健康と保健・医療・福祉
 A.健康とは
 B.健康をまもるしくみ
 C.生活をまもるしくみ

第2章 公衆衛生と保健のしくみ
 A.公衆衛生・保健とは
 B.人口と衛生・健康の指標
 C.保健活動
 D.環境と食品衛生
 E.感染症の対策

第3章 医療のしくみ
 A.医療とは
 B.医療を提供するしくみ
 C.医療を保障するしくみ
 D.国民医療費の動向

第4章 社会保障と社会福祉のしくみ
 A.社会保障・社会福祉の概念
 B.社会保障の歴史
 C.わが国の社会保障制度
 D.社会保険
 E.公的扶助
 F.社会福祉

看護と法律
第1章 看護関係の法律を学ぶにあたって
 A.法とはなにか
 B.看護職の活動に必要な衛生法
 C.看護業務に関係する法

第2章 看護職のための法
 A.保健師助産師看護師法
 B.看護師等の人材確保の促進に関する法律

第3章 医事法
 A.医師法・医療法
 B.医療関係資格法
 C.保健福祉関係資格法
 D.医療を支える法

第4章 保健衛生法
 A.保健衛生の基盤となる法
 B.分野別の保健法
 C.感染症に関する法
 D.食品の衛生等に関する法

第5章 薬務法
 A.医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律
 B.人等の組織の一部を用いた医療関連法
 C.薬害被害者の救済等
 D.麻薬・毒物・劇物に関する法

第6章 環境衛生法・環境法
 A.生活環境・環境衛生営業に関する法
 B.環境法

第7章 社会保険法
 A.医療保険に関する法
 B.介護保険法
 C.年金・手当法

第8章 福祉・生活・社会基盤に関する法
 A.福祉の基盤に関する法
 B.分野別の福祉に関する法
 C.労働法
 D.社会基盤を整備する法

さくいん