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日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

45巻6号(2008年6月号)
今月の主題 実践! 糖尿病診療
(目次詳細・ご注文はこちら!)

山守 育雄(名古屋第一赤十字病院内分泌内科)

近年,世界中で糖尿病が激増し,医療経済上も大きな課題となっている.国際連合は2006年,毎年11月14日を世界糖尿病デーと位置づけ,全世界が糖尿病制圧に向かって努力することを呼びかけた.患者数の増加に伴い,一般医家の外来を受診する糖尿病患者数も年々増加を続けているものと思われる.また,メタボリックシンドロームへの早期対策により,将来の医療費節減につなげることを目指して,今年度から特定健診・特定保健指導が開始されたが,その結果,これまで未診断であったり,未治療であった糖尿病患者の掘り起こしにより,受診者数の大幅な増加も予想されている.重症化予防の観点からは大いに歓迎すべきことではあるが,一方でこれを受け入れる側の医療供給体制の課題も,今後明らかになってこよう.
こうした糖尿病患者数の増加は,製薬企業にとっては大きなビジネスチャンスであり,事実,糖尿病治療薬の市場規模は急激な拡大をみせている.さらに今後数年のうちには,新しい作用機序による各種新薬の登場も予想されており,今や糖尿病治療薬は百花繚乱の観がある.インスリン製剤にもさまざまな進歩がみられ,ここ数年のうちには治療風景が大きく様変わりしていくことが予想される.

内科認定医・専門医試験対策に!!
今月の主題
「理解のための23題」
(力だめしにいかがでしょう.解答は本誌掲載.解説が大幅に充実)
今月の主題 座談会
糖尿病診療における専門医と一般医のコラボレーション
2006年国民健康・栄養調査によると,糖尿病が強く疑われる人は約820万人,可能性が否定できない人は約1,050万人と推定されている.
増え続ける患者,コントロール不十分や未受診の患者に対し,専門医と一般医,医師とコメディカルがどう連携し,診療にあたっていくか.本座談会では,診療現場の問題を挙げ,血糖コントロール,治療継続のためのマネジメントなど,一般医と専門医および医師とコメディカルとの効果的な連携について,糖尿病診療に携わる一般医・専門医の先生方にお話しいただいた.
連載
研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました.内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています.毎回おちがつくといいのですが.どうかよろしくお願いします.

第30回 がんプロ

白井敬祐
聖路加Common Diseaseカンファレンス
聖路加Common Diseaseカンファレンスとは,聖路加国際病院内科で2006年11月から始まった新カンファレンスである.
稀な疾患や複雑な疾患の検討ではなく,比較的ありふれた疾患(common disease)を複数例で検討しようというカンファレンスである.ありふれた疾患に迅速に的確なアプローチができる“反射神経”を養うことを意図している.11の専門分野(循環器,消化器,呼吸器,内分泌,神経,腎臓,感染症,膠原病,血液,一般,心療)の専門医が毎月の持ち回りで,指導医が研修医と質疑応答を繰り返す.それを誌上で再現したのが,今回の連載である.

今月は休載いたします.

見て聴いて考える 道具いらずの神経診療
「神経内科の診察、特に神経所見の取り方は難しく、時間もかかる」と、研修医や他科の先生方は考えている.実際、神経内科専門医でも神経所見の取り方は難しいが、全例で詳細に所見を取るわけではない.
そこで本連載では、日常診療でできる神経診療について概説したい.患者さんの訴えや動作に現れるサインを見逃さないよう、専門医には当たり前だが非専門医は意外と知らないこと、わずかな質問で診断がつくコツなど、実例を挙げ紹介したい.

第6回 主訴別の患者の診かた(1) しびれを訴える患者の診かた

岩崎 靖(小山田記念温泉病院 神経内科)
患者が当院(ウチ)を選ぶ理由 内科診察室の患者-医師関係
最前線にいる内科臨床医にとっては、医科学的な問題の解決法ばかりではなく、むしろ個別の患者への具体的なアプローチの方法こそが知りたい、という場合も少なくない.患者は千差万別であり、患者-医師関係も千差万別である.毎月の2000人もの患者数が受診する人気開業医は、診察室の中でどう患者に向き合っているのか、その診療スタイルと技術をわかりやすく紹介する.

第6回 生活習慣病の向こうに癌がみえる

灰本 元(灰本クリニック)
研修医のためのリスクマネジメント鉄則集
医療は危険性と不確実性を伴うハイリスク産業である.それゆえに、診療現場で働く医師には、常に適切なリスクマネジメントが求められる.臨床現場で医療者が行うべきリスクマネジメントとは何か、医師として肝に銘じたい「鉄則集」として示す.

第6回 リスクマネジメントのABCD-その4 「日ごろの態度」がものをいう

田中まゆみ(聖路加国際病院・一般内科)
市中感染症診療の思考プロセス IDATEN感染症セミナーより
日本感染症教育研究会(通称IDATEN)による本格的な情報発信の第一弾.臨床感染症に関する良質の邦文教材が乏しい現状を踏まえ、感染症診療のエキスパートたちが、標準的な市中感染症診療の考え方・進め方をわかりやすく解説する.

第3回 市中肺炎のマネジメント

岩渕千太郎(旭中央病院 内科/感染症科)
目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載.写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」、「解答と解説」からなり、クイズを通して症例疾患への理解を深める.