日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書 |
43巻8号(2006年8月号) 今月の主題 消化器内視鏡治療の現在 (目次詳細・ご注文はこちら!) 田尻 久雄(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科) 消化器領域での内視鏡を利用した治療の試みは比較的近年になってからである。内視鏡を用いた初期の本格的な治療への応用としては,常岡による胃ポリープの機械的絞扼切除(1968年),丹羽による高周波電流を用いた胃ポリープの焼灼摘除(1968年),並木による胃壁内局所注射による潰瘍治療法の開発(1970年)などがある。その後も多くの新しい内視鏡治療手技が開発されてきたが,特に1980年代以降の20数年間は内視鏡診断・治療面に大きな変革をもたらした時代である。診断面では特に電子内視鏡,超音波内視鏡の登場とその関連の進歩により消化器癌の早期発見・早期診断の精度が著しく向上してきた。精緻な診断学によって治療にも大きな変革が生じてきている。早期消化管癌に対するEMR,ESDなどの内視鏡治療や鏡視下手術の進歩・普及である。鏡視下手術においては,良性から悪性疾患,腹腔鏡から胸腔鏡にいたるまで多種多様の治療が可能になり,消化器疾患に対する外科的手術のほとんどが,内視鏡下にできるようになったといっても過言ではない。暗黒大陸,ブラックボックスなどと称されてきた小腸に関しては,カプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡の登場により,現在,小腸疾患の診断と治療は大きな革命期を迎えている。 |
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●座談会 | ||||||||||||||
「安全な消化器内視鏡治療のための教育と研修システム」 | ||||||||||||||
皆さん,本日はお忙しいところをありがとうございます。 消化器内視鏡は診断精度が高く,種々の処置が可能で,低侵襲性の治療を提供できる方法であることから,臨床の場で広く活用されるようになっています。最近では高度な手技も数多く開発され,一層の広がりを見せています。 その一方で偶発症もみられ,昨今では内視鏡関連の医療事故がニュースに取り上げられることも珍しくありません。内視鏡教育は,消化器病学,消化器診療がさらに発展していくうえで,きわめて重要な課題と考えられます。 そこで本日は,大学病院ならびに市中病院で,積極的に消化器内視鏡に取り組んでおられる先生方にお集まりいただき,各施設での教育,研修への取り組みについてお伺いしたいと思います。 |
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内科認定医・専門医試験対策に!! | ||||||||||||||
●今月の主題 | ||||||||||||||
「理解のための29題」 (力だめしにいかがでしょう。解答は本誌掲載) |
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連載 | ||||||||||||||
●しりあす・とーく | ||||||||||||||
「しりあす・とーく」では,初の修了者が誕生した「新医師臨床研修制度」を3回にわたって検証してきたが,最終回となる今回は,必修ローテーションとして位置づけられた他科ローテーション,特に小児科,産婦人科,精神科,地域・保健医療をとりあげてみた。これらのローテーションの実際とその意義,今後のあり方などについて,研修医・指導医それぞれの立場から議論していただいた。
第17回 内科ローテーションで何を学ぶか?
検証!新医師臨床研修制度(後編) |
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●病理との付き合い方 明日から使える病理の基本【実践編】 | ||||||||||||||
病理診断が病名の決定,治療方針の決定,治療効果および予後判定に重要な役割を果たす,ということはすでに総論を読んだ読者には十分理解していただいたと思う。本号からの実践編(各論)では,臓器別に具体的な病理との付き合い方を学ぼう。 | ||||||||||||||
辻香・峯村徳哉・望月眞 | ||||||||||||||
●東大病院内科研修医セミナー | ||||||||||||||
本連載では,東大病院で内科研修医を対象に月2~3回,昼の1時間を使って行われている内科グランドカンファレンスを紹介します。各診療科での実際の症例を通して,疾患の診断・治療に関する生きた知識を吸収していただければ幸いです。 | ||||||||||||||
●研修おたく海を渡る | ||||||||||||||
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました。内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています。毎回おちがつくといいのですが。どうかよろしくお願いします。 | ||||||||||||||
白井敬祐 | ||||||||||||||
●できる医師のプレゼンテーション-臨床能力を倍増するために | ||||||||||||||
プレゼンテーションは診療現場において,きわめて重要な臨床能力の1つである。「質の高い研修」,「質の高い患者ケア」,プレゼンテーションの良し悪しは実はこれらを大きく左右する。本連載では,臨床医にとって必要な「プレゼン技術」の基本をわかりやすく示す。 | ||||||||||||||
川島篤志(市立堺病院・総合内科) | ||||||||||||||
●医療事故を防ぐ! 対策を絵に描いた餅としないために | ||||||||||||||
忙しい日常臨床の現場では,医療事故対策を立てても,しばしば「絵に描いた餅」となってしまい,実際に防止効果をあげていない場合が少なくない。対策は現場での「実践」の観点から講じる必要がある。本連載では,沖縄県立中部病院の臨床研修・医療事故に関する取り組みを交えながら,主に研修医がかかわる医療事故対策について考える。 | ||||||||||||||
本村和久(王子生協病院・内科) | ||||||||||||||
●目でみるトレーニング | ||||||||||||||
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載。写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」,「解答と解説」からなり,クイズを通して症例疾患への理解を深める。 |