日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

43巻2号(2006年2月号)
今月の主題  ブレインアタック2006 -t-PA時代の診断と治療
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山脇健盛(名古屋市立大学医学部神経内科)

 「medicina」誌では,約3年に1回,「ブレインアタック」の特集が組まれている。その時々に新しい進歩が紹介されているが,前回(2003年7月号)の「ブレインアタック―超急性期から維持期まで」と題した特集以降に,脳卒中診療におけるエポックメイキングともいえる大きな進歩が二つ挙げられる。「脳卒中治療ガイドライン2004」の刊行と,発症3時間以内の超急性期脳梗塞治療薬としてtissue-type plasminogen activator(t-PA)が認可されたことである。
 今回,この二つの大きな出来事を中心に特集を組ませていただいた。

座談会
「t-PA認可により脳卒中診療はどう変わるか」
山脇 本日はお忙しい中お集まりいただき,ありがとうございます。
2005年10月,日本でもt-PA(組織型プラスミノーゲンアクチベータ)が脳梗塞急性期の治療薬として認可されました。これによって脳卒中診療がどう変わったか,また今後どう変わっていくか,第一線の先生方にお伺いしたいと思います。
出席者(発言順)
木村和美氏 高木誠氏 江面正幸氏 山脇健盛氏(司会)
川崎医科大学
神経内科脳卒中部門
東京都済生会中央病院
神経内科
東北大学
脳血管内治療科
名古屋市立大学
神経内科
内科認定医・専門医試験対策に!!
今月の主題
「理解のための32題」
(力だめしにいかがでしょう。解答は本誌掲載)
好評連載シリーズ
しりあす・とーく
 かつて,日本の臨床研修は大学医局による診療科別のストレート研修を中心に行われ,3年目ともなれば1人前の医師として扱われることも少なくなかった。しかし,スーパーローテーション方式を基本とする2年間の初期研修が義務化された今,3年目以上の後期研修の充実が求められるようになり,かなりの数の病院が後期研修プログラムを立ち上げるようになった。本誌では前回にひきつづき,臨床研修の最前線にいる指導医たちに,日本における後期研修の問題点と今後の方向性について語っていただいた。

第14回  初期研修から後期研修へ -医師研修の「はざま」を語る(後編)
岩田健太郎氏 陳若富氏〈司会〉 吉津みさき氏
亀田総合病院総合診療感染症科部長 国立病院機構大阪医療センター循環器科医長,国立病院機構近畿ブロック事務所医療課長 河北総合病院臨床研修アドバイザー
Case Study 診断に至る過程
本シリーズではCase Studyを通じて鑑別診断を挙げ,診断に至る過程を解説してみたいと思います。どこに着目して鑑別診断を挙げるか,次に必要な情報は何か,一緒に考えてみませんか。

第2回  シリアスな腰痛

松村正巳(石川県立中央病院内科)
研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました。内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています。毎回おちがつくといいのですが。どうかよろしくお願いします。

第2回  Retreat

白井敬祐
医療事故を防ぐ! 対策を絵に描いた餅としないために
忙しい日常臨床の現場では,医療事故対策を立てても,しばしば「絵に描いた餅」となってしまい,実際に防止効果をあげていない場合が少なくない。対策は現場での「実践」の観点から講じる必要がある。本連載では,沖縄県立中部病院の臨床研修・医療事故に関する取り組みを交えながら,主に研修医がかかわる医療事故対策について考える。

第2回  処方ミスをなくそう

本村和久(沖縄県立中部病院地域救命救急センター)
病理との付き合い方 明日から使える病理の基本【実践編】
病理診断が病名の決定,治療方針の決定,治療効果および予後判定に重要な役割を果たす,ということはすでに総論を読んだ読者には十分理解していただいたと思う。本号からの実践編(各論)では,臓器別に具体的な病理との付き合い方を学ぼう。

第1回  上部消化管

武内英二(滋賀県立成人病センター病理部)
演習・小児外来
研修医・一般内科医向けに,小児外来患者にどう対応し,どうコンサルトすべきか,「演習」形式でわかりやすく示す。
目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載。写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」,「解答と解説」からなり,クイズを通して症例疾患への理解を深める。