日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

43巻5号(2006年5月号)
今月の主題  経静脈・経腸栄養-プランニングとその実践
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東口高志(藤田保健衛生大学医学部外科学・緩和ケア講座)

 わが国の経静脈・経腸栄養の歴史は欧米に比べて決して遅れを取っているわけではなく,多くの先達者たちの努力によって1970年代初頭には中心静脈栄養が全国に普及し始め,その後まもなくほぼすべての医療施設で高カロリー輸液が行われるようになった。また,経腸栄養も食道癌手術などの高度の侵襲を伴う外科周術期の栄養補給や炎症性腸疾患の治療として早期より確立されていた。しかしながら,医学教育のなかで,臨床的な代謝・栄養学に割かれる時間はわずかにすぎず,栄養管理や栄養療法などの知識や技術を学ぶ機会は欧米に比べてきわめて限定されてきた。このことは医師だけでなく看護師や薬剤師,そして栄養士の教育においても大差なく,わが国の栄養管理が米国に比べて20年は遅れていると指摘されることとなった。

内科認定医・専門医試験対策に!!
今月の主題
「理解のための32題」
(力だめしにいかがでしょう。解答は本誌掲載)
連載
病理との付き合い方 明日から使える病理の基本【実践編】
病理診断が病名の決定,治療方針の決定,治療効果および予後判定に重要な役割を果たす,ということはすでに総論を読んだ読者には十分理解していただいたと思う。本号からの実践編(各論)では,臓器別に具体的な病理との付き合い方を学ぼう。

第4回  婦人科

山本 宗平・津田 均(防衛医科大学校第二病理)
研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました。内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています。毎回おちがつくといいのですが。どうかよろしくお願いします。

第5回  オンとオフ

白井敬祐
できる医師のプレゼンテーション-臨床能力を倍増するために
プレゼンテーションは診療現場において,きわめて重要な臨床能力の1つである。「質の高い研修」,「質の高い患者ケア」,プレゼンテーションの良し悪しは実はこれらを大きく左右する。本連載では,臨床医にとって必要な「プレゼン技術」の基本をわかりやすく示す。

第2回 現在,「ないもの」

川島篤志(市立堺病院・総合内科)
医療事故を防ぐ! 対策を絵に描いた餅としないために
忙しい日常臨床の現場では,医療事故対策を立てても,しばしば「絵に描いた餅」となってしまい,実際に防止効果をあげていない場合が少なくない。対策は現場での「実践」の観点から講じる必要がある。本連載では,沖縄県立中部病院の臨床研修・医療事故に関する取り組みを交えながら,主に研修医がかかわる医療事故対策について考える。

第5回  たかが採血,されど採血

本村和久(王子生協病院・内科)
東大病院内科研修医セミナー
本連載では,東大病院で内科研修医を対象に月2~3回,昼の1時間を使って行われている内科グランドカンファレンスを紹介します。各診療科での実際の症例を通して,疾患の診断・治療に関する生きた知識を吸収していただければ幸いです。

第11回  神経性食欲不振症の男性例

目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載。写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」,「解答と解説」からなり,クイズを通して症例疾患への理解を深める。