HOME雑 誌medicinaバックナンバー一覧 > 誌面サンプル 46巻11号(2009年11月号)

日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

46巻11号(2009年11月号)
今月の主題 脳卒中の征圧をめざして
(目次詳細・ご注文はこちら!)

豊田一則(国立循環器病センター内科脳血管部門)

 わが国の脳卒中診療を取り巻く環境は,2005年10月の急性期脳梗塞へのtissue plasminogen activator(t-PA)静注療法の承認を契機に,大きく様変わりした感がある.この承認の直後の『medicina』2006年2月号(第43巻2号)で,山脇健盛先生(当時・名古屋市立大学神経内科/現・広島大学脳神経内科)が「ブレインアタック2006 tPA時代の診断と治療」という特集を組まれてから3年を過ぎたが,この間にも頸動脈狭窄症へのステント留置術の承認,脳卒中ケアユニット入院医療管理料や脳血管疾患等リハビリテーション料,超急性期脳卒中加算の新設,脳卒中病院前救護コースの開催など,脳卒中診療を後押しする出来事が続いた.特に2007年に施行された第五次改正医療法で,四疾病(がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病)・五事業(救急医療,災害時医療,へき地医療,周産期医療,小児医療)の医療連携体制構築が記され,脳卒中や救急医療への注目度がさらに高まった.国を挙げた脳卒中診療への支援を求めて,脳卒中対策の法制化に向けた取り組みも進んでいる.脳卒中はもはや「治らない病気」ではなく,「治る病気」,「治すべき病気」として認識されるようになった.このような追い風の一方で,近年のいわゆる医療崩壊現象は,けっして楽ではない脳卒中診療にも大きな不安の影を落とす.団塊の世代が脳卒中適齢期を迎え,脳卒中診療への需要がより高まる今日,その担い手である専門医を中心に,一般医家,救急科医,コメディカル,救急隊や介護職員などが効率よく連携して,脳卒中の予防と脳卒中患者の社会復帰に努めなければならない.

内科認定医・専門医試験対策に!!
今月の主題
「理解のための27題」
(力だめしにいかがでしょう.解答は本誌掲載.解説が大幅に充実)
今月の主題 座談会
脳卒中診療の教育・連携・チーム医療
t-PA静注療法認可後の数年間で,脳卒中診療への関心は飛躍的に高まったが,医療スタッフ不足など,まだまだ理想的な診療体制が構築されているとは言い難い.そこで本座談会では,卒前教育や初期研修から,一般内科医の役割と医療連携,理想的な脳卒中チームのあり方とコメディカルの養成,脳卒中対策基本法に対する期待まで,医療崩壊の時代における脳卒中診療の方向性を論じていただいた.
連載
研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました.内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています.毎回おちがつくといいのですが.どうかよろしくお願いします.

第47回 ニールの流儀

白井敬祐(サウスカロライナ医科大学)
手を見て気づく内科疾患
本連載では,身体診療の一部である手の観察について記載します.注意深く観察すると,診断の鍵となる,とても多くの情報が潜んでいることに気づいていただけるでしょう.

第11回 さじ状爪,診断のヒント

松村正巳(金沢大学医学部付属病院 リウマチ・膠原病内科)
外来診療に差をつけるコミュニケーションスキル
若手の総合内科医にとって,面接がきわめて基礎的な力であると気づくのは,定時の外来を担当するようになってからではないでしょうか.限られた時間とリソースの中で,効率よく,診療の質を担保して,患者との関係を上手に築いていくことができないと,外来日はかなり悲惨な結果となります.食事もままならない,夕方遅くまで終わらない,病棟ナースから嫌な顔をされる…….こうならないように,コミュニケーションスキルを鍛えませんか.
本連載は『コミュニケーションスキルトレーニング──患者満足度向上と効果的な診療のために』(医学書院,2007)を執筆した私たちの仲間が,テキストでは十分に紹介できなかったことも含めて,誰でもが修得できるテクニックや,回避できるピットフォールをご紹介します.ご期待ください.
[監修:箕輪良行/聖マリアンナ医科大学]

第2回 オープニング:第一印象が肝心!

菅野圭一(渋川市国民健康保険赤城北診療所)
The M&M reports 見逃し症例に学ぶ内科ERの鉄則
ミスから学ばずして成長はない.
米国の一流教育病院では,死亡症例や重大な合併症をきたした症例をもとに,「M & M(Morbidity & Mortality conference)」と呼ばれる症例検討会を行い,診療レベルの向上に役立てている.
本連載では,このM&Mのスタイルを用い,ER(救急外来)における内科診療の「落とし穴」を示しながら,そこに落ちないための教訓と診療のコツを伝える.
長谷川耕平・岩田充永
目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載.写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」、「解答と解説」からなり、クイズを通して症例疾患への理解を深める.