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日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

45巻9号(2008年9月号)
今月の主題 Multiple problemsの治療戦略
(目次詳細・ご注文はこちら!)

福原俊一(京都大学大学院 医療疫学)

患者の高齢化とあいまって,内科の患者は複数の疾患によるmultiple problemsをもっていることがほとんどである.multiple problemsを有する患者では,すべての問題を理想的にマネージすることが困難な場合が稀でない.さらに,エビデンスは単一疾患に対する単一治療のみに関してあることが多く,multiple problemsに対してどの治療を優先するべきかのエビデンスや指針が乏しいことが多い.
また,「一方をたてれば,他方がおろそかになる」,「一方の治療が他方を悪くしたり,再発を促す」いわゆる利害相反が生じるケースなど,multiple problemsの頻度が高い後期高齢者の治療にみられるジレンマは枚挙にいとまがない.
以上のような患者を前にして,頭を悩ませている臨床医は多いのではないだろうか?

内科認定医・専門医試験対策に!!
今月の主題
「理解のための24題」
(力だめしにいかがでしょう.解答は本誌掲載.解説が大幅に充実)
今月の主題 座談会
複合疾患-問題解決への戦略と基本軸
高齢社会に突入した昨今,一人の患者が複数の疾患あるいは問題をもつことが多く,それらの問題が複雑に絡み合っていることも稀ではない.
本座談会では,「複数の問題をどう考え,どう解決していくか」について,具体的な事例を挙げながら,医師個人レベルおよび医師を取り巻く制度上の問題点を明らかにし,それぞれの解決法について,各領域でご活躍する先生方にご示唆いただいた.
連載
研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました.内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています.毎回おちがつくといいのですが.どうかよろしくお願いします.

第33回 カンファのお作法

白井敬祐(サウスカロライナ医科大学)
聖路加Common Diseaseカンファレンス
聖路加Common Diseaseカンファレンスとは,聖路加国際病院内科で2006年11月から始まった新カンファレンスである.
稀な疾患や複雑な疾患の検討ではなく,比較的ありふれた疾患(common disease)を複数例で検討しようというカンファレンスである.ありふれた疾患に迅速に的確なアプローチができる“反射神経”を養うことを意図している.11の専門分野(循環器,消化器,呼吸器,内分泌,神経,腎臓,感染症,膠原病,血液,一般,心療)の専門医が毎月の持ち回りで,指導医が研修医と質疑応答を繰り返す.それを誌上で再現したのが,今回の連載である.

第17回 内分泌内科編-糖尿病緊急症(低血糖・高血糖)へ的確に対応しよう

松田 道隆・門伝 昌己・出雲 博子(聖路加国際病院)
見て聴いて考える 道具いらずの神経診療
「神経内科の診察、特に神経所見の取り方は難しく、時間もかかる」と、研修医や他科の先生方は考えている.実際、神経内科専門医でも神経所見の取り方は難しいが、全例で詳細に所見を取るわけではない.
そこで本連載では、日常診療でできる神経診療について概説したい.患者さんの訴えや動作に現れるサインを見逃さないよう、専門医には当たり前だが非専門医は意外と知らないこと、わずかな質問で診断がつくコツなど、実例を挙げ紹介したい.

第9回 主訴別の患者の診かた(4) 頭痛を訴える患者の診かた(前編)

岩崎 靖(小山田記念温泉病院)
患者が当院(ウチ)を選ぶ理由 内科診察室の患者-医師関係
最前線にいる内科臨床医にとっては、医科学的な問題の解決法ばかりではなく、むしろ個別の患者への具体的なアプローチの方法こそが知りたい、という場合も少なくない.患者は千差万別であり、患者-医師関係も千差万別である.毎月の2000人もの患者数が受診する人気開業医は、診察室の中でどう患者に向き合っているのか、その診療スタイルと技術をわかりやすく紹介する.

第9回 患者が一番知りたいこと

灰本 元(灰本クリニック)
研修医のためのリスクマネジメント鉄則集
医療は危険性と不確実性を伴うハイリスク産業である.それゆえに、診療現場で働く医師には、常に適切なリスクマネジメントが求められる.臨床現場で医療者が行うべきリスクマネジメントとは何か、医師として肝に銘じたい「鉄則集」として示す.

第9回 インフォームド・コンセントの手順(前編)-リスクマネジメントの基本としての

田中まゆみ(聖路加国際病院)
市中感染症診療の思考プロセス IDATEN感染症セミナーより
日本感染症教育研究会(通称IDATEN)による本格的な情報発信の第一弾.臨床感染症に関する良質の邦文教材が乏しい現状を踏まえ、感染症診療のエキスパートたちが、標準的な市中感染症診療の考え方・進め方をわかりやすく解説する.

第6回 骨・関節・軟部組織感染症のマネジメント

岩田健太郎(神戸大学 感染症内科)
目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載.写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」、「解答と解説」からなり、クイズを通して症例疾患への理解を深める.