今月の主題
しびれと痛み
大生定義(立教大学)
外来診療では痛み・しびれで受診する患者さんは多い.この感覚は身体的な問題の存在を示唆することもあり,重要な体からの警告であることもある.また,心因性の場合もあり,心からのメッセージとして捉えるべきときもある. 医師も患者もこのしびれ・痛みという感覚が何なのか捉えきれず,治療のタイミングを逸したり,症状が固定化することもある.この変な感じを早めに上手に適切に捉え,患者さんのQOLの回復・向上の援助をすることが臨床医の務めであり,それがうまくできれば医療専門職としての喜びにもなろう. もちろん,外来の初診医は,自らで十分に取り扱えない分野のものは,適切な時期を逸することなく,適切な他の医師に患者さんを紹介することもまた重要な任務である. この特集のねらいについては,次ページに骨子を述べるが,巻頭にしびれ・痛みに関して,やや独断的な基本4項目を挙げておきたい.本誌をお読みになってご批判を頂きたいと願っている.
1) Wolfe GI, et al:Chronic cryptogenic sensory polyneuropathy;Clinical and laboratory characteristics. Arch Neurol 56:540-547, 1999
|