●手を見て気づく内科疾患 | |||
第15回テーマ ブシャール結節,ヘバーデン結節,生活を支えてきた証 松村正巳(金沢大学医学教育研究センター リウマチ・膠原病内科)
病歴:指の関節は15年くらい前から痛かった.指輪が入らないので困っている. 身体所見:近位指節間関節(proximal interphalangeal joint)が硬く腫れている(図1) 検査所見:血算;WBC 1,400/μl(リンパ球27%),抗核抗体1,280倍(speckled pattern),抗Sm抗体陽性,抗SS-A抗体陽性 診断:ブシャール結節(Bouchard’s nodes)を呈する変形性関節症 変形性関節症は40歳以上の方,特に60歳以降に高頻度に認められる関節症です.慢性多発関節炎の鑑別診断の1つです1).遠位指節間関節(distal interphalangeal joint)のものをヘバーデン結節(Heberden’s nodes)といいます(図2).女性に罹患頻度が高く,遺伝的要素もあります.手のこわばりを呈することもありますが,30分以上は持続しません.また,罹患関節を使いすぎると痛みが悪化します2).女性でよく手を使ってこられた方に高頻度に認めます.生活を支えてきた手の歴史を感じます.
(画像は本誌をご覧ください) 文献
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