今月の主題「理解のための21題」問題01生来健康な20歳,男性.5日間続く,咽頭痛,関節痛,39℃の発熱を主訴に内科外来を受診した.診察上,咽頭軽度発赤,頸部,腋窩リンパ節腫脹を認める.血液検査上,白血球10,000 ml(異型リンパ球15%),軽度の肝酵素上昇を認めた.考えられない疾患は次のいずれか. A:溶連菌感染症 問題02梅毒の血清学的検査として,感染の活動性や治療の効果判定に用いることのできないものはどれか.2つ選べ. A:RPR 問題0315歳,女性.全身打撲を主訴に警察官,母親に同行され,ER受診した.カラオケボックスで数人に監禁,輪姦され,殴られたり,蹴られたりしたということであった.診察・検査の結果,腟内には明らかな精液はなく,男たちは射精時にはコンドームをつけていたことが判明した.口腔内や直腸内への射精もないことがわかった.以下のうち,不適切な対応はどれか.1つ選べ. A:淋菌予防に対する抗菌薬を投与した. 問題04HIV急性感染で認められる所見・検査結果で当てはまらないものはどれか.1つ選べ. A:発熱 問題05HIV抗体検査を行うべきではないものはどれか.2つ選べ. A:急性B型肝炎に罹患 問題06ニューモシスチス肺炎について,正しい選択肢はどれか.2つ選べ. A:著しい低酸素血症には,ステロイドが有効である. 問題07結核について,下記の記述のなかで,正しいものを1つ選べ. A:日本の結核罹患率は人口10万対5前後であり,欧米先進国並みである. 問題08QuantiFERON○R-TB第2世代について,下記の記述のなかで,正しいものを1つ選べ. A:BCG接種の影響を受けるが,ツベルクリン反応に匹敵する検査法である. 問題09結核院内対策として,正しいものを選択してください. A:肺結核を疑う場合,喀痰塗抹培養検査は1回でよい. 問題10症例:55歳,女性.関節リウマチの診断で,プレドニゾロン30 mgをすでに2カ月投与されている.この症例について正しいもの選べ.HBsAg陽性,AST-15-IU/ml,ALT-16-IU/ml. A:プレドニゾロン30 mg/dayの投与量なので,結核発症のリスクはない. 問題11以下の要因で起こる好中球減少症のなかで,新たに重篤な感染症に罹患するリスクを上げるものを1つ選べ. A:慢性特発性 問題12以下のA~Eのうち,間違っているものを1つ選べ. 糖尿病患者の尿路感染症では非糖尿病患者に比べ, A:起因菌に大きな違いがある. 問題13わが国における,現在の新型インフルエンザ対策において正しいものはどれか.1つ選べ. A:新型インフルエンザワクチンの接種が国民に対して順次進められている. 問題14新型インフルエンザの感染予防策として,誤っているのはどれか. A:感染している患者には,一定の距離(2 m)を極力とれるようにする. 問題15次のうち,新型インフルエンザ診療に有用でないと考えられるものはどれか.1つ選べ A:病歴 問題164種類のマラリアのなかで,再発を起こす可能性のあるものはどれか.2つ選べ. A:熱帯熱マラリア 問題1723歳,男性.インドから2週間前に帰国.下痢と38℃の熱が3日間続くため来院した.血液培養,便培養採取のうえ,レボフロキサシン300 mgの投与を開始した.3日後血液培養,便培養の結果が判明し,Salmonella typhi陽性であった.感受性結果では,NA(ナリジクス酸):R,CPFX(シプロフロキサシン):Sであった.発熱は持続している.治療選択はどうするか(複数選択可). A:レボフロキサシン300 mgを2週間継続する. 問題18インドに旅行中の患者さんから「イヌに咬まれたけどどうしたらいい?」と国際電話がかかってきた.どのように答えたらよいか.1つ選べ.なお,患者は旅行前に狂犬病ワクチンは接種していない. A:すぐに石けんと水で傷を洗い,消毒薬があれば消毒するように指示し,あとは帰国してから受診するように伝える. 問題191週間前にガーナへの4カ月赴任から帰国した会社員が,39℃の発熱を主訴に歩いて来院した.特に基礎疾患はない.身体所見上は特に問題なく,血液検査でも,軽度白血球上昇が認められる程度であった.現地では蚊には刺されたとのことであり,マラリアの予防内服はしていない.次の選択肢で不適切なものを選べ. A:Giemsa染色を行い,マラリアと診断されたが,種類はわからなかったため,入院としてメフロキンを処方した. 問題20国内で市販されている以下のワクチンで,生ワクチンはどれか.次のなかから2つ選べ. A:A型肝炎ワクチン 問題21予防接種に関する以下の文章で正しい内容のものはどれか.1つ選べ. A:現時点でMRワクチンの3期,4期の接種率は90%以上である. (解答は本誌掲載)
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