HOME雑 誌medicina誌面サンプル 46巻10号(2009年10月号) > 連載●手を見て気づく内科疾患
●手を見て気づく内科疾患

第10回テーマ

リウマトイド結節,関節リウマチの関節外症状

松村正巳(金沢大学医学部付属病院 リウマチ・膠原病内科)


図1 左肘関節近くの前腕伸側に固い結節を認める
患者:60歳,女性
病歴:10年前から関節リウマチの治療中である.現在はメトトレキサート(methotrexate)6 mg/週を内服している.手関節,肘関節,膝関節に腫脹,疼痛を認める.
身体所見:左肘関節近くの前腕伸側に固く,圧痛のない結節を大小4カ所触れる(図1).

診断:リウマトイド結節

 リウマトイド結節は関節リウマチ患者の約20~30%に認めます.よく観察されるのは,肘関節伸側,尺骨の近位部,後頭部などで,圧力のかかる部位にできやすい傾向があります.また,肺にできる場合もあります.一般に痛みはなく,圧痛もありません.擦過が原因で感染を起こすことがあります.結節が形成される最初の機序は血管炎と説明されています.メトトレキサートの投与でリウマトイド結節が誘発される患者もいます1)

 関節リウマチの関節外症状にはリウマトイド結節の他に,肺病変,外強膜炎,アミロイドーシスによるネフローゼ症候群,血管炎があります.その他,好中球減少と脾腫をきたすフェルティ(Felty’s syndrome)症候群もあります.


(画像は本誌をご覧ください)

文献
1)Lipsky PE, et al:Rheumatoid arthritis, In Fauci AS, et al(eds):Harrison’s Principles of Internal Medicine 17th ed, pp 2083-2092, McGraw-Hill, New York, 2008