●手を見て気づく内科疾患 | |||
第7回テーマ RS3PE,高齢者の手の浮腫には注意 松村正巳(金沢大学医学部付属病院 リウマチ・膠原病内科)
病歴:3週間前から朝の手のこわばり感が出現した.指をまっすぐ伸ばそうとすると痛い.こわばり感は昼過ぎには改善する.2週間前からは両手がむくんできた. 身体所見:両手背に著明な浮腫を認める(図1).両第3指近位指節間関節(proximal interpharangeal joint)に関節炎あり. 検査所見:血沈119.0 mm/時間,リウマトイド因子陰性 診断:RS3PE(Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema) プレドニン10 mg/日の投与で2週間後には症状,手背の浮腫は著明に改善した(図2). RS3PE は1985年にMcCartyが提唱した疾患概念です1).高齢者に発症し,手の関節炎と著明な手背の浮腫を特徴とします.リウマトイド因子は陰性です.似たような手背の浮腫をきたす疾患にリウマチ性多発筋痛症があります.高齢者に肩甲部の疼痛・こわばり,両側上腕部の圧痛,体重減少を認めたときは鑑別に挙げます. (画像は本誌をご覧ください) 文献
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