●聖路加Common Diseaseカンファレンス | ||||
第6回 あなたは呼吸器疾患を的確に診断できますか? 藤谷志野(聖路加国際病院内科 チーフレジデント)
■症例1
指導医 症例は,48歳男性です.42歳頃よりかぜの後に咳が止まらなくなることがしばしばあり,近医にてテオフィリンを処方され内服すると改善することがありました.来院2カ月前より,咳・痰が継続することがあり,紹介元を受診後に当院呼吸器内科を受診されました.身体所見上,脈拍90/min,血圧177/109mmHg,SpO 93%,呼吸音は正常でした.既往歴としては,30歳台後半から高血圧,47歳から糖尿病と副鼻腔炎を診断されて,副鼻腔炎に対しては手術を勧められています.
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研修医B 鼻ポリープですか.
指導医 そうですね.アスピリン喘息患者の36~96%が鼻ポリープを,また7~15%の喘息患者が鼻ポリープを有するといわれています.またその鼻ポリープに関しては,喘息における吸入ステロイド薬と同様に,ステロイド点鼻薬が奏効するといわれています.この症例では後日,慢性副鼻腔炎に対して,手術を施行したところ,気管支喘息の改善傾向が認められました.これは,one airway one diseaseの考え方ですね.ひとつながりである気道は,鼻から気管支まですべて良くすることで症状が安定します.
(つづきは本誌をご覧ください)