日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書 |
48巻3号(2011年3月号) 今月の主題 臨床栄養Update 2011 中村光男(弘前大学医学部保健学科病因・病態検査学) わが国において戦前,戦後の食事の変遷は日本人の栄養状態や寿命,罹患する疾患に大きく影響を与えている.戦前,終戦直後はエネルギーや栄養素の欠乏症が中心で,いかにそれを改善するかに重点が置かれてきた.しかし,わが国の高度経済成長後は食事の欧米化,ファストフードの浸透によって脂肪の摂取量増加や質の変化がもたらされ,栄養の欠乏症から過剰症によって引き起こされる疾患が増加した.また,高齢社会となり高齢者の健康的な生活維持のため,高齢者向けの栄養管理も必要な時代になっている. |
内科認定医・専門医試験対策に!! |
●今月の主題 |
「理解のための28題」 (力だめしにいかがでしょう.解答は本誌掲載.解説が大幅に充実) |
●今月の主題 座談会 |
これからの臨床栄養における課題と問題点 |
食事を摂ることは単なる栄養の摂取でなく,人間が文化的・精神的に豊かな生活を送るためにも非常に大切な行為です.また,加齢や疾患により,個々の状況に合った食事および栄養療法が必要です.しかしながら,栄養学・栄養療法に詳しい医師が少ないのが現状で,食生活の変遷による生活習慣病の増加,対して高齢者の栄養不足などの問題も生じています. そこで,本座談会では「日本人の栄養摂取の変遷と疾患への影響」,「特定保健用食品およびサプリメントの使用」,「高齢者の栄養障害」,「過剰栄養による疾患」,「外来食事指導,入院中の食事提供法」に関する議論を通して,臨床栄養における問題点と課題を明らかにし,今後の方向について考えます. |
連載 |
●研修おたく海を渡る |
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました.内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています.毎回おちがつくといいのですが.どうかよろしくお願いします. |
●手を見て気づく内科疾患 |
本連載では,身体診療の一部である手の観察について記載します.注意深く観察すると,診断の鍵となる,とても多くの情報が潜んでいることに気づいていただけるでしょう. |
●The M&M reports 見逃し症例に学ぶ内科ERの鉄則 |
ミスから学ばずして成長はない. 米国の一流教育病院では,死亡症例や重大な合併症をきたした症例をもとに,「M & M(Morbidity & Mortality conference)」と呼ばれる症例検討会を行い,診療レベルの向上に役立てている. 本連載では,このM&Mのスタイルを用い,ER(救急外来)における内科診療の「落とし穴」を示しながら,そこに落ちないための教訓と診療のコツを伝える. |
●アレルギー膠原病科・呼吸器内科合同カンファレンス |
聖路加国際病院で行われている合同カンファレンスを誌上で再現するシリーズです.診断・治療のupdateはもちろん,他科へのコンサルトのタイミングや,複数科を受診する患者のフォローアップ時の注意点など,患者を多角的に診療する視点をご覧いただけます. |
●目でみるトレーニング |
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載.写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」、「解答と解説」からなり、クイズを通して症例疾患への理解を深める. |
●医事法の扉 内科編 |
医療過誤事例からは,さまざまな教訓を学ぶことができます.本連載では,「医事法」と総称される医療行為に関連する法律に規定された,あるいは明確な規定はなくとも解釈上認められている医師の義務を採り上げ,法的観点から臨床上重視される点について,判例を紹介しながら検討していきます. |
●festina lente |
このラテン語格言は「ゆっくり,いそげ」の意.「回復を早める」とはいっても,時間をとってじっくり養生を説く余裕は医師側にはほとんどなかろう.無論その先に人手不足予算不足できりきり舞いの医療現場があるからで,余裕のない焦りが順送りに広がっているともいえる.このたび医療にまつわる随想を記す機会をいただいたが,つれづれの思いが,せめて少しでも「ゆっくりいそぐ」のに資すれば幸いである。 |
●今日の処方と明日の医学 |
医薬品は,変革の時代を迎えています.国際共同治験による新薬開発が多くなる一方で,医師主導の治験や臨床研究などによるエビデンスの構築が可能となりました.他方,薬害問題の解析から日々の副作用報告にも薬剤疫学的な考察と安全対策への迅速な反映が求められています.そこで,この連載では医薬品の開発や安全対策を医学的な観点から解説し,日常診療とどのように結びついているのかをわかりやすくご紹介します. [監修:日本製薬医学会]
|
佐藤裕史(慶應義塾大学医学部クリニカルリサーチセンター) |