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日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

48巻2号(2011年2月号)
今月の主題 関節リウマチを疑ったら-診断・治療のUpdateと鑑別すべき膠原病

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岸本暢将(聖路加国際病院アレルギー膠原病科(成人・小児))

20年前の関節リウマチ(RA)治療の目標は,まず非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイドを十分使用しRAの症状を軽減させるというCareが中心であった.1990年台にアンカードラッグとしてメトトレキサート(MTX)が普及し,経口抗リウマチ薬(DMARDs)併用治療および生物学的製剤が登場するとともに,RAに対する治療戦略が変わり,その臨床的寛解が大きな治療目標となり,Cureも夢ではないかもしれない時代を迎えた.ところが"診断"というと,関節リウマチ長期罹患患者のデータを基に20年以上前に作られた1987年米国リウマチ学会RA分類基準を参考にするしかなかった.

内科認定医・専門医試験対策に!!
今月の主題
「理解のための23題」
(力だめしにいかがでしょう.解答は本誌掲載.解説が大幅に充実)
今月の主題 座談会
内科医として関節炎を鑑別する醍醐味
2010年,23年ぶりに欧州リウマチ学会にて関節リウマチ新分類基準が最終発表された.これは"骨びらん"が起こる前に早期治療を開始する目的で早期診断ができるよう工夫された基準である.ところがこの基準には"関節リウマチと類似する他疾患を除外する"という項目が含まれている.つまり日常診療で遭遇する最も頻度の高い膠原病の一つである関節リウマチの診療を行っていくうえで,プライマリケア医が関節炎をきたす膠原病の鑑別に精通することが至上命題である.
座談会では関節リウマチの早期診断と鑑別が必要な疾患とその特徴,多関節炎患者における最低限プライマリケアで必要な検査,さらに早期治療や病診連携の重要性についてディスカッションした.
連載
研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました.内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています.毎回おちがつくといいのですが.どうかよろしくお願いします.
手を見て気づく内科疾患
本連載では,身体診療の一部である手の観察について記載します.注意深く観察すると,診断の鍵となる,とても多くの情報が潜んでいることに気づいていただけるでしょう.
The M&M reports 見逃し症例に学ぶ内科ERの鉄則
ミスから学ばずして成長はない.
米国の一流教育病院では,死亡症例や重大な合併症をきたした症例をもとに,「M & M(Morbidity & Mortality conference)」と呼ばれる症例検討会を行い,診療レベルの向上に役立てている.
本連載では,このM&Mのスタイルを用い,ER(救急外来)における内科診療の「落とし穴」を示しながら,そこに落ちないための教訓と診療のコツを伝える.
アレルギー膠原病科・呼吸器内科合同カンファレンス
聖路加国際病院で行われている合同カンファレンスを誌上で再現するシリーズです.診断・治療のupdateはもちろん,他科へのコンサルトのタイミングや,複数科を受診する患者のフォローアップ時の注意点など,患者を多角的に診療する視点をご覧いただけます.
目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載.写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」、「解答と解説」からなり、クイズを通して症例疾患への理解を深める.
医事法の扉 内科編
医療過誤事例からは,さまざまな教訓を学ぶことができます.本連載では,「医事法」と総称される医療行為に関連する法律に規定された,あるいは明確な規定はなくとも解釈上認められている医師の義務を採り上げ,法的観点から臨床上重視される点について,判例を紹介しながら検討していきます.
festina lente
このラテン語格言は「ゆっくり,いそげ」の意.「回復を早める」とはいっても,時間をとってじっくり養生を説く余裕は医師側にはほとんどなかろう.無論その先に人手不足予算不足できりきり舞いの医療現場があるからで,余裕のない焦りが順送りに広がっているともいえる.このたび医療にまつわる随想を記す機会をいただいたが,つれづれの思いが,せめて少しでも「ゆっくりいそぐ」のに資すれば幸いである。
今日の処方と明日の医学
医薬品は,変革の時代を迎えています.国際共同治験による新薬開発が多くなる一方で,医師主導の治験や臨床研究などによるエビデンスの構築が可能となりました.他方,薬害問題の解析から日々の副作用報告にも薬剤疫学的な考察と安全対策への迅速な反映が求められています.そこで,この連載では医薬品の開発や安全対策を医学的な観点から解説し,日常診療とどのように結びついているのかをわかりやすくご紹介します.
[監修:日本製薬医学会]

第9回 PMS調査の必要性

西馬信一(日本イーライリリー株式会社)