Editorial

令和初の新年を迎えて、“信念”のご挨拶
寺澤佳洋
藤田医科大学 総合診療プログラム指導医、豊田地域医療センター 総合診療科

明けましておめでとうございます。令和初の新年を、みなさまとともに「総合診療」に携わる医師として迎えることができました。

「総合診療専門医」の誕生が、いよいよ来年に迫っています! そんな今日この頃ですが、
「てらぽん*先生が、総合診療を選んだ理由は?」
「総合診療医として、どんな人生プランですか?」
と質問を受けます(*「てらぽん」は私のニックネームです笑)。みなさんもよく聞かれる質問だと思いますし、一方で周りの仲間の答えも聞きたくなる質問です。

先の質問に対して私は、p.83にある私自身のキャリアや“私のHistory & Vision”をもとに話をしていたのですが、それに加えて紹介したい仲間の存在がいました。「総合診療」という枠組みのなかには、多様性に富んだ仲間がたくさんいます。そんな仲間を一堂に集めて紹介できれば、総合診療の魅力をより多くの方に正確に伝えられるのではないか? そんな思いから本特集を組み、共感してくれた同志とともに編集に努めました。執筆者や編集にご協力いただいたみなさんに改めて感謝申し上げます。

さて、特集の内容に少し触れていきます。今回は、私の一存で卒後10年目未満の医師を「若手」と称し、総合診療に関わる14名(番外編1名含む)の若手ロールモデルのみなさんにご執筆いただきました。内容は、①なぜ「総合診療」を選んだか、②専門医プログラムのインパクト、③「総合診療医」として目指すものを軸に構成しています。執筆者のなかには、総合診療の道を自ら切り開いていた方もいますし、私のように受動的に行き着いた先が総合診療だったという方もいます。これまでに歩んだ過去も、これから思い描く未来(Vison)もさまざまで、改めて総合診療は幅の広い領域であると感じました。さらに、執筆を依頼した私自身も初耳で瞠目する熱き志や想いが多々ありました。

座談会(p.74)では、後期研修を終え「指導医」として総合診療プログラムや医療機関運営に関わる、もう若手とは呼ばれない(笑)私を含む4名が集まり、中堅世代ならでは想いや悩みを共有しました。私自身も多くの学びがあった座談会でした。お楽しみください。

本特集を通じて、読者のみなさんと執筆者の新年ならぬ“信念”の抱負を共有し、「総合診療」の発展に寄与できれば幸いです。併せて、医学生や初期研修医のみなさんが進路を検討される際に、またその指導の際にご活用いただければ嬉しく思います。