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雑誌『総合診療』のスタート
『JIM』から『総合診療』への誌名変更にあたって

 総合診療誌『JIM』は2015年から,誌名を『総合診療』に変更いたしました.医療技術・情報技術が急速に発展を遂げる一方で,未曾有の高齢社会が現実のものとなるなか,『JIM』創刊にあたって25年前に掲げた「既存の専門科にとらわれないアプローチ」「患者のニーズに対する具体的な対応」への高い必要性は,むしろ今日,より強く感じられています.新たな専門医育成の準備も始まり,この「総合診療」という分野への社会的な期待が一段と高まるなか,我々は,真に役立つ総合的な臨床情報を提供するという創刊時の志を引き継ぎ,発展させるためにも,より読者にわかりやすい誌名が必要だと判断し,誌名を変更いたしました.
 誌名変更にあたり,『総合診療』誌の編集方針を以下に掲げます.

  1. 患者の訴え・症状に対応する臨床医に役立つ誌面を構成します.
  2. 主訴・病歴・診察から診断へのアプローチを重視します.
  3. 常にケースに学び,見逃してはいけない疾患を見極め,診断困難症例から患者の抱える問題を解決するための知識・技術を取り上げます.
  4. 一般外来や在宅など制約ある診療条件において,また救急や入院病棟など総合診療医が活躍する場面において,患者の状況を適切に判断しマネジメントするための知識・技術を取り上げます.
  5. 予防接種から緩和ケア,病態生理から地域の諸問題への取り組みに至る,総合診療医に必要な,幅広い知識・技術を網羅します.
  6. 他の専門診療科との連携,そして地域における他職種との協働についての知識・技術を取り上げます.
  7. 総合診療医にとって弱点になりがちな分野・領域も取り上げ,かゆいところに手が届く内容となるよう心がけます.
  8. 短時間で必要事項を参照でき,要点を理解できるような誌面構成を心がけます.
  9. たくさんの患者を診つつ,若手の指導もしている臨床医・指導医に,執筆の中軸を担っていただきます.
  10. 読者とのコミュニケーションを重視し,診療における疑問を大切にする雑誌を目指します.

 ジェネラルに診ることが求められる時代の臨床誌として,診療現場からの要請に応えるべく,読者ならびに執筆者の皆様とともに,日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です.

2015年1月
『総合診療』 編集委員会