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【特集】

内科医のためのクリニカル・パール3

藤田 芳郎(中部ろうさい病院リウマチ・膠原病科/腎臓内科)


 ほんの一部ですが,前2回の「内科医のためのクリニカル・パール」からパールを抜粋しました.本特集は第3弾ですが,今回も素晴らしいクリニカル・パールを各領域の先生方にご執筆いただきました.「心にのこる症例」とともにご参照いただければと思います.

2009年9月号(46巻9号)
・尿路結石の陰にA(あぶない),A(あわてる),A(あいつを探せ)[①腹部大動脈瘤切迫破裂 ②腎梗塞 ③精巣捻転 ④卵巣捻転など]
・低容量性ショックvs敗血症性ショックの鑑別診断では呼吸数に注目せよ[脱水のみに頻呼吸なし!]
・細菌感染症は「良くなるか,悪くなるかのどちらか」[不変の小康状態の期間が長くなればなるほど抗菌薬不要の可能性が高くなる]
・貧血の原因として指1本で診断のできる癌2つ[結腸・直腸癌と前立腺癌]
・めまい,失神は突然死の前兆と思え[外傷の手当てが済んだら帰宅させる,という安易な対応は危険]
・軽快と増悪を繰り返す肺病変や動かない肺病変を見たら,必ず一度は肺結核を疑う
・高齢者の腹痛は要注意[腹部動脈瘤破裂,上腸間膜動脈塞栓症,心筋梗塞,胆道系感染,消化管穿孔,腸閉塞,肺炎など]
・慢性単関節炎をみたら,①変形性関節症の単関節の症状,②メカニカルな関節損傷,③結核性関節炎,を疑う
・頸の痛みは=頸椎と決めつけない! くも膜下出血もある
・夜間頻尿の原因として,慢性腎不全のほか,睡眠時無呼吸や心不全も忘れずに

2013年9月号(50巻9号)
・「意識障害+高体温+頻脈+発汗」では,重症熱中症,甲状腺クリーゼ,悪性症候群,セロトニン症候群,薬物中毒を忘れない!
・腹痛が主訴でも,呼吸が速すぎる場合は胸腔内疾患を考える! [下壁梗塞,胸膜炎,心膜炎,膿胸,肺炎,肺塞栓など]
・院内の発熱患者につけられる「腎盂腎炎」,「誤嚥性肺炎」という診断の多くは間違っている!
・治癒可能な「がん性腹膜炎」を見逃すな!
・原因不明の労作時息切れは肺高血圧も鑑別に
・特異的IgE抗体検査(RAST)の使用は慎重に
・膠原病は4つの観点から疑う[①明らかな特異的な所見があるとき,②感染症が否定的,③悪性腫瘍が否定的,④薬剤性の病態が否定的(疑われれば中止可能な薬剤はすべて同時に中止)]
・くも膜下出血をまず除外することが頭痛診療の最も重要なポイントである
・一過性脳虚血発作(TIA)は早期診断・治療がきわめて重要,決して軽視をしてはいけない
・虚血性心疾患をみたら頸動脈,腎動脈,下肢動脈の狭窄を疑う,逆もまた真なり