HOME雑 誌medicina誌面サンプル 44巻10号(2007年10月号) > 連載●成功率が上がる禁煙指導
●成功率が上がる禁煙指導

第4回テーマ

保険診療での禁煙治療のテクニック2

安田雄司(医療法人啓生会やすだ医院/NPO法人京都禁煙推進研究会)


  前回は保険診療による禁煙治療を行うための患者へのチェック事項を記載した.今回は私が実際に行っている禁煙治療について述べてみたい.禁煙治療の方法は手順書に則って行われればどのような方法を取り入れるかは各医師が考えればよい.私の禁煙治療の流れも参考になれば幸いである.とにかく患者に禁煙を達成させることが最終目標であることを念頭に行っていけばよい.

■私の禁煙治療の組み立ては5部構成であり,初診に1時間かけている

 禁煙が成功するか否かは初診が大事である.いわゆる通常の外来で禁煙指導を行うのと大きく違うのは患者が禁煙目的で受診していることである.患者はすでにタバコが身体に悪いことは知っている.だからといっていきなり禁煙の方法から入っても患者はそれだけではなかなか禁煙に踏み切れないことが多い.やはり禁煙をする意味を再認識してもらうことが必要なのである.禁煙への動機づけをさらに強化することが重要である.私が行っている初診時での説明の流れとしては,

 (1)なぜあなたがニコチン依存症に陥ってしまったのでしょう?
 (2)あなたがタバコを止めないと今後どんな問題が控えているでしょう?
 (3)タバコを止めるとこんなに良いことが待っていますよ.
 (4)このことだけすればタバコを止めることはいとも簡単なのです.
 (5)COPD患者の「禁煙を訴えるビデオ」を最後に見て考えてください.

といった構成である.私が作成したプレゼンテーションを見せながら進めていくのだが,そのプレゼンテーションの一部を示しながら診療の内容を述べる.

(つづきは本誌をご覧ください)


安田雄司
1981年滋賀医科大学医学部卒業.滋賀医科大学医学部附属病院研修医,同第2外科助手,ドイツエッセン・ルアーランドクリニック助手,京都桂病院呼吸器センター部長を経て,1998年1月京都市南区やすだ医院院長.現,医療法人啓生会理事長.NPO法人京都禁煙推進研究会理事.専門領域は外科,特に呼吸器外科・気管支鏡検査や細胞診を中心とした呼吸器診断.