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『文化人類学 [カレッジ版] (第3版)』 正誤表

このたびは 『文化人類学 [カレッジ版] (第3版)』 をご購入いただきまして誠にありがとうございます。本書の第1刷(2011年11月15日発行)から第3刷(2014年2月1日発行)におきまして以下の誤りがございましたので,ここに訂正させていただきますとともに深くお詫び申し上げます。

2014年2月現在

【訂正箇所】 182頁・5行目「①マラリアを予防する遺伝形質——サルディーニャ島における人の適応」項目
【訂正内容】 項目名,項目内容を以下のように変更いたします。 PDF(138KB)はこちら

① マラリアを予防する遺伝形質
ヘモグロビン症  ヘモグロビン症は,赤血球にあるヘモグロビンの構造や生成にかかわる異常をあらわす遺伝性疾患である。赤血球の一部が鎌状に変形する鎌状赤血球症や,ヘモグロビンを構成するグロビン鎖の生成における不均衡により生じるサラセミアなど,いくつかの種類がある。ヘモグロビン症にかかっている人は,溶血性貧血(赤血球が早期に破壊されるためにおこる貧血症),血流障害による生じる各臓器の機能障害,また血管閉塞による疼痛発作などを経験する。その一方で,ヘモグロビン症は,マラリアに対して抵抗性があるために,アフリカや地中海沿岸などのマラリア流行地では,生存に有利にはたらく。なお,ヘモグロビンの異常は,地域によって異なる遺伝子多型を示す。遺伝子多型とは,1人ひとりの遺伝子の塩基配列が一部異なることによって生じる遺伝子の差異である。
グルコース-6-
リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症
 マラリアが風土病となっているイタリアのサルディーニャ島では,サラセミアのほかに,グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症の人が多い。G6PD欠損症は,鎌状赤血球症やサラセミアと同じく遺伝性であり,赤血球膜が損傷されて溶血性貧血を引きおこす。G6PD欠損症の人も,マラリアを発症しにくいといわれているが,それは赤血球が短時間で溶血してしまい,マラリア原虫が赤血球中で増殖できないからである。鎌状赤血球症やサラセミアと同じように,この遺伝性疾患はマラリアが蔓延する地域で生きていくのに有利な突然変異であったといえる1)

1) Brown, P. J. : Cultural and Genetic Adaptations to Malaria: Problems of Comparison, Human Ecology, 14(3): 311-332.

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