2019年1月12日に市原悦子さんがお亡くなりになりました。謹んで哀悼の意を表します。
弊社発行の『幻聴妄想かるた』は、読み札の音声を市原悦子さんに担当していただきました。
ここに9枚の札を、市原さんの音声付きで公開させていただきます。市原悦子さんを偲ぶ機会となれば幸いです。
《音を聞くには》かるた札をクリックしてください。
【厳選公開】幻聴妄想かるた―市原悦子の読み札音声
ありがとう幻聴さん
ありがとう大野さん
イライラする
四六時中ある幻聴や妄想は、ありがたいときもありますが、多くの場合はうざったくイライラします。そのような気分を少しばかり投げやりな言い方で表現しています。大野さんは実在の人物。
むりやり私は天皇に
されるところだった
幼少期から家系が皇族と関係があると聞きながら育ったせいでしょうか。天皇になるようにと迫られて追われていたんだそうです。逃げて逃げてコンビニのお兄さんに助けてもらいました。コンビニには警察も来たけれど…。
しん臓が止まっている
その異様な音は右側の頭頂部から聞こえてくるんだそうです。それは第六感がはたらいているときで、お尻の穴が閉まり、咽頭がなくなり尿管がなくなり皮膚の感覚がなくなり、心臓も止まってしまうそうです。異様な体験です。落ち着きがなくなったときにやってくるようで、そんなときは毛糸のパンツをはいて,対応しているそうです。
のうのなかに機械がうめこまれ
しっちゃかめっちゃかだ
若くして脳のなかに機械がうめこまれ、個人情報の漏えいが行われているそうです。うめこまれた場所が特定できれば取れるんだけど、とご本人。自分の考えが外に漏れ、周りがそのことについてひそひそ話している苦痛を表現しています。
ローレンローレンローレン
戦車に乗った自分が
キリストだということがわかった
まだ病院にかかっていなかったころ、自分が地球連合軍の兵士で、戦車で凱旋するリアルな夢を見ました。人々が自分を救世主だと声をあげて歓迎するのです。緊張で疲れ果て、治療してもらおうとクリニックを訪ねたら、ずっと風呂にも入らず着の身着のままヒゲぼうぼうの自分を泥棒と勘違いして、医者はパトカーを呼びそうになりました。「地球連合軍ですが、これは、あくまでも夢です。夢なんです」と、本人は力強く、誤解のないようにと語っていました。(「ローレンローレンローレン」は1959年から1965年にかけて制作・放映された西部劇「ローハイド」の主題歌中のかけ声です)