医学界新聞

2018.12.17



日本看護シミュレーションラーニング学会設立


代表理事の岡谷恵子氏
 日本看護シミュレーションラーニング学会(JaNSSL)設立総会・記念講演会が11月3日,東医歯大(東京都文京区)にて開催された。総会では代表理事の岡谷恵子氏(東京医大/日本看護系大学協議会)が,学会の趣旨と事業計画を説明した。記念講演会では国際看護シミュレーション学会(INACSL)会長のBette Mariani氏(米ビラノバ大)が,看護シミュレーション学習の応用が進む北米での経験を踏まえ,実践のヒントを語った。

看護学教育におけるシミュレーション学習の普及,発展をめざす

 看護学教育にシミュレーション学習が欠かせない時代を迎えている。学会設立の機運が高まる中,2017年10月に開かれた第1回発起人会では,決意表明とともに学会名称,定款などが決められた。

 総会では岡谷氏が,本会の趣旨を「看護学教育の新たな教授方法としてのシミュレーション学習を普及,発展させることを通し,看護学教育の進歩と人々の健康と生活の質を支える看護専門職の育成に寄与すること」と説明した。学会が取り組む事業として,①学術集会の開催,②シミュレーション学習に関する研修,③シミュレーション学習に関する研究活動,④情報の収集と提供,⑤教材開発,⑥国内外の関係機関・学会との学術交流の6つを挙げた。学術団体との連携では,INACSLのジャパンリグを設立し,支部としての活動も行う。国内では,日本看護系学会協議会への加盟(会員100人以上の学会が条件)をめざすという。第1回学術集会は2020年2月29日~3月1日に東京都内で開催(大会長=東京医大・阿部幸恵氏)の予定だ。

 いかにシミュレーション学習を進めていくかは教育現場の喫緊の課題である。記念講演会ではMariani氏が「INACSLベストプラクティススタンダード」の要点を解説した。「教育者は内容を盛り込みすぎてしまいがち。しかし,シンプルなシナリオであるほど,初学者は多くを学ぶ」と述べるなど,シナリオ作りのコツを指南した。「INACSLベストプラクティススタンダード」の日本語版はJaNSSLウェブサイトから閲覧できる。

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