医学界新聞

2016.09.26



第20回日本看護管理学会開催


 第20回日本看護管理学会学術集会が2016年8月19~20日,武村雪絵集会長(東大大学院)のもと,「看護管理の知――創ろう,活かそう,つなげよう」をテーマに開催された。同学会の第1回年次大会が開催された会場でもあるパシフィコ横浜(横浜市)に,約4200人の参加者が集った。本紙では,学会20周年特別企画「日本看護管理学会20年の歩みとこれから」(進行=聖路加国際大・吉田千文氏)の模様を紹介する。


社会に貢献する団体としての発展をめざして

武村雪絵集会長
 本特別企画は全3部で構成され,「第1部:学会20年のあゆみ」では,現理事長の鶴田惠子氏(日赤看護大)が,学会の変遷を4つの時期に分けて解説した。会員数350人で始まった同学会は,発足直後の「黎明期」,「成長期」を経て,2002年に会員数は1000人を数え,学術研究団体としての登録も果たした。順調に見えた学会の発展であったが,その後,学会業務を委託していた事務局の破産により,大きな危機を迎える。氏は,この時期を「危機とリカバリー」と称し,会員が一丸となって危機を乗り越えるとともに,学会としての基盤を築いた時期でもあると語った。そして現在,「組織発展」の時期を迎えている同学会は,2012年には一般社団法人となり,会員数も4000人を超えた。氏は,同学会が学術団体としての使命を全うしながら,今後も発展を続けていくことができるよう,変わらぬ支援と協力を参加者に呼び掛けた。

 続く「第2部:主な事業のこれまでの取り組みとこれからの課題」では,学会定款の「第2章 目的及び事業」において定められている6つの事業活動に関する報告が,各委員会の代表者によって行われた。

 このうち,学術集会開催に関する報告を行った酒井美絵子氏(武蔵野大)は,近年の学術集会の特徴として,病院勤務の看護管理者の割合が多いこと,参加者数・演題数の増加傾向が続いていることなどを挙げた。演題内容に関しては,インフォメーション・エクスチェンジなどの参加型プログラムが人気であり,社会の変化や政府の政策を反映したものが多いと分析した。さらに,会員・非会員を問わず,これだけの看護管理関係者が集う場は貴重であると述べ,その機会を生かせるような同学会ならではの学術集会のあり方を構築していきたいと語った。

 「第3部:[座談会]これからの日本看護管理学会のあり方と果たすべき役割」では,歴代の理事長が登壇し,理事長在任時の思い出や苦労,これからの学会への期待をそれぞれ語った。井部俊子氏(聖路加国際大)は,学会が危機を迎えた第3期の理事長である。氏は,当時理事長として行ったあいさつ文を会場であらためて読み上げ,学会運営における道義的責任とはどのようなものか,自身の考えを述べた。理事会や評議委員会,総会で得たサポートと信頼によって,事態に対処できたと当時を振り返り,こうした信頼関係が大きな力となることを訴えた。

第3部は歴代の理事長が登壇した。

 鶴田氏は,「20年の節目を迎えた今,あらためて本学会の目的に立ち返って事業を展開していかなければならない。看護管理者だけでなく,社会にも貢献できる団体をめざし,発展を続けていきたい」と述べ,特別企画を締めくくった。

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