医学界新聞

2010.04.19

『逝かない身体』が大宅壮一賞に!


川口有美子氏
 第41回大宅壮一ノンフィクション賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が4月5日に東京都内で開催され,川口有美子著『逝かない身体――ALS的日常を生きる』(医学書院)が選出された。川口氏はALSに罹患した母の介護を機に訪問介護事業所やNPO法人を設立。現在は国際的なALS支援ネットワークの構築に携わっている。≪シリーズ ケアをひらく≫の一冊である同書は,「ALSの母が重力に抗して生きた12年を身体ごと支えた記録」(本書オビより)である。

 受賞記者会見で選考委員の柳田邦男氏は,「この時代へのメッセージ性に満ちた作品で非常に評価が高かった」と述べ,同じ選考委員である立花隆氏の「圧倒的に重量感のある作品で他の候補作がすべて色あせて見えた」という言葉を伝えた。続いて会見場に現れた川口氏は高評価に驚きながら,「動かない母が,家事やガーデニングしか知らない私に,自分の身体を通して社会というものを教えてくれた」と感謝の言葉を述べた。

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