医学界新聞

2007.09.24

 

ディスカッションを終えての提言

記=金井Pak雅子


 今回のディスカッションでいちばん印象に残ったのは,日本の看護界の現状を「専門職としての危機」とエイケン先生が指摘されたことである。看護師であることには満足していても,現在の仕事には満足できず,1年半以内には退職を希望している看護師が全体の3分の1もいたことに対して,「これは看護管理者として重大な問題と捉えねばならない」と明言されていた。たしかに3-4年経験を積み,ある程度仕事ができるようになると「なんとなく辞めたくなる」,あるいは「疲れたので少し休みたい」という発言を聞くことがある。看護管理者としては,「せっかく一人前に育てたのに」という歯がゆい思いをする。

 「疲れたので少し休みたい」という理由であるならば,やはり今回の調査結果が物語っているようにバーンアウトしていると推測することができる。今回の調査対象のほとんどが大学病院であった。重症度の高い患者が多く,特に夜間の忙しい時にはひとりの看護師が20名から25名の患者を受け持っている。このことに対しては,抜本的な対策が必要である。施設レベルでの夜間補助者の積極的採用もさることながら,国レベルでの夜間の人員確保対策が必須であろう。他の先進国では,このような受け持ち数は論外である。

 「なんとなく辞めたくなる」という理由であるならば,これは,管理者の関わりの問題である。特に,師長はスタッフのキャリア開発を担う役割があるので,積極的に面接をして役割を与えながらその能力を引き出すことである。もし,役割を断るような看護師であるならば,引き留める必要はない。パートとして固定給にすべきである。

 看護師が専門職として自己のキャリアを伸ばしていくことができるような職場作りの鍵を担うのは,看護管理者の関わりと言っても過言でない。

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