カラーアトラス 人体 第4版
解剖と機能
実際の解剖体を、写真で見て学べるコメディカル学生向けテキスト
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その精緻・緻密な剖出技術と鮮明な標本写真から他の追随を許さない、実際の解剖体を撮影した 『解剖学カラーアトラス』 のコメディカル学生のための姉妹編。医療に携わる者にとって必須の部位の写真を厳選。理解の助けとなるカラーシェーマも多数掲載。実際の解剖体を見て学習ができる貴重なテキストの改訂第4版。
著 | 横地 千仭 / J. W. Rohen / E. L. Weinreb |
---|---|
発行 | 2013年12月判型:A4頁:164 |
ISBN | 978-4-260-01646-9 |
定価 | 5,500円 (本体5,000円+税) |
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序文
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第4版 序
肉眼解剖学は,医学と同様にallied health(いわゆるコメディカルの領域)の課程においても基本となる最も重要な学問の一つである.今日まで世界中で多くの解剖学書が出版されてきたが,本書が刊行されるまでは,allied healthの学生,あるいはすでにそれに従事している人々にとっても,適切な参考書といえるものはない状況であった.解剖標本はその構成が複雑なために,昔ながらの図や写真が載せられているに過ぎない従来の本では,人体の三次元的な構造を把握することは容易ではなかった.もちろん実際に解剖実習を行うのが肉眼解剖を学ぶうえで最も望ましいことであるが,遺体の入手は困難であること,さらには授業時間や設備上の制約などから実行が難しいのは今日でも変わらない.その制約を少しでも補おうという意図から本書は作成された.1969年の英文版の初版刊行以来,幸いにも本書は海外で非常に好評を博し,J. W. Rohen教授が著者として加わった1978年発行の第2版では初版に続いて直ちにドイツ語,フランス語,イタリア語,スペイン語版がそれぞれの国で出版され,広く世界に受け入れられてきた.
第3版からは,米国からE. L. Weinreb教授を著者に加え,解剖学を学ぶallied health領域の学生の方向づけのための序論としての新しい写真や模式図による総論的な1章が新設された.解剖学のみならず診断学などの新たな技術的進歩に加え,カラー写真自体の改良が進んだことから,第3版ではページ数も内容も非常に充実したものとなった.写真のうちのあるものはJ. W. Rohen/横地千仭: Color Atlas of Anatomy, 第2版(医学書院/F. K. Schattauer, 1988)から転載されたものであったが,使用された標本はできるだけ正常な状態のものを選び,一部では微細な解剖学的構造を示す目的であえて新鮮状態の標本を使用した.また入り組んで互いに識別し難い血管やリンパ管,神経などでは,実物に着色して識別しやすくしてある.さらに人体の三次元的立体構造を少しでも分かりやすく理解する助けとして,多彩なシェーマと断面解剖の写真を随所に取り入れた.
このたびの改訂第4版においても,第3版をベースにして,写真,シェーマの入れ替えを行った.とくに著者としては,allied healthの学生に人体の実物を見ておいてほしいという強い願いから,前版ではシェーマで示されていた人体の図を写真に置き換えた.また,全身の骨格,筋などが一目で分かるような写真を掲載している.これらも著者による人体の実物から学んでほしいという考えから示されているものである.さらに付録として今版から病理の標本も掲載した.92,93ページに見開きで掲載した「胎児とその発育」の連続写真は看護学生が解剖学教室の見学に来たときに最も反響が大きい写真であり,本書の読者におかれても注目していただきたい.
本書はundergraduate curriculumで行われる解剖あるいは解剖生理学の教科の副読本として作られたものであるが,すでにallied healthの分野の仕事に従事している人たちにとっても大いに役立つものであり,これからも本邦でも従来同様に広く利用していただけるものと考えている.
最後に著者らは本書の出版に協力して下さった多くの方々に深く感謝の意を表したい.
2013年10月
著者を代表して 横地千仭
肉眼解剖学は,医学と同様にallied health(いわゆるコメディカルの領域)の課程においても基本となる最も重要な学問の一つである.今日まで世界中で多くの解剖学書が出版されてきたが,本書が刊行されるまでは,allied healthの学生,あるいはすでにそれに従事している人々にとっても,適切な参考書といえるものはない状況であった.解剖標本はその構成が複雑なために,昔ながらの図や写真が載せられているに過ぎない従来の本では,人体の三次元的な構造を把握することは容易ではなかった.もちろん実際に解剖実習を行うのが肉眼解剖を学ぶうえで最も望ましいことであるが,遺体の入手は困難であること,さらには授業時間や設備上の制約などから実行が難しいのは今日でも変わらない.その制約を少しでも補おうという意図から本書は作成された.1969年の英文版の初版刊行以来,幸いにも本書は海外で非常に好評を博し,J. W. Rohen教授が著者として加わった1978年発行の第2版では初版に続いて直ちにドイツ語,フランス語,イタリア語,スペイン語版がそれぞれの国で出版され,広く世界に受け入れられてきた.
第3版からは,米国からE. L. Weinreb教授を著者に加え,解剖学を学ぶallied health領域の学生の方向づけのための序論としての新しい写真や模式図による総論的な1章が新設された.解剖学のみならず診断学などの新たな技術的進歩に加え,カラー写真自体の改良が進んだことから,第3版ではページ数も内容も非常に充実したものとなった.写真のうちのあるものはJ. W. Rohen/横地千仭: Color Atlas of Anatomy, 第2版(医学書院/F. K. Schattauer, 1988)から転載されたものであったが,使用された標本はできるだけ正常な状態のものを選び,一部では微細な解剖学的構造を示す目的であえて新鮮状態の標本を使用した.また入り組んで互いに識別し難い血管やリンパ管,神経などでは,実物に着色して識別しやすくしてある.さらに人体の三次元的立体構造を少しでも分かりやすく理解する助けとして,多彩なシェーマと断面解剖の写真を随所に取り入れた.
このたびの改訂第4版においても,第3版をベースにして,写真,シェーマの入れ替えを行った.とくに著者としては,allied healthの学生に人体の実物を見ておいてほしいという強い願いから,前版ではシェーマで示されていた人体の図を写真に置き換えた.また,全身の骨格,筋などが一目で分かるような写真を掲載している.これらも著者による人体の実物から学んでほしいという考えから示されているものである.さらに付録として今版から病理の標本も掲載した.92,93ページに見開きで掲載した「胎児とその発育」の連続写真は看護学生が解剖学教室の見学に来たときに最も反響が大きい写真であり,本書の読者におかれても注目していただきたい.
本書はundergraduate curriculumで行われる解剖あるいは解剖生理学の教科の副読本として作られたものであるが,すでにallied healthの分野の仕事に従事している人たちにとっても大いに役立つものであり,これからも本邦でも従来同様に広く利用していただけるものと考えている.
最後に著者らは本書の出版に協力して下さった多くの方々に深く感謝の意を表したい.
2013年10月
著者を代表して 横地千仭
目次
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1 解剖学とは
体の構成
体腔
体の部位と方向を表す用語
体の面
体の部位
骨
関節
筋
血管
2 骨格
人体の骨格
椎骨と脊柱
体幹と上肢帯および胸郭の骨格
3 胸部,腹部および背部
胸・腹壁の筋
鼡径部
背部の筋と神経
脊髄
4 上肢と下肢
上肢
肩関節と上腕骨
前腕および手,指の骨
腕および手,指の靱帯
肩および上肢の筋
上肢の動脈
上肢の静脈,腕神経叢
上肢の神経
下肢
骨盤
股関節と大腿骨
膝関節と下腿の骨
足の骨と靱帯
下肢の生体観察と筋
下肢の動脈
下肢の静脈
下肢の神経
下腿,足背,足底の血管と神経
5 胸部内臓
循環系
心臓
心臓の弁
心臓の血管
心臓の刺激伝導系
リンパ系,脾臓
呼吸器,肺
前胸壁・乳腺・腋窩リンパ節
気管支樹
横隔膜
6 腹部内臓
消化管
胃,膵臓,胆嚢
肝臓と門脈
腸と腸粘膜
腹部の血管と神経
7 泌尿生殖器および腹膜後器官
泌尿器系
腎臓
男性生殖器
女性生殖器
胎児とその発育
女性外陰部
8 頭頸部
頭蓋骨
頭部の筋
頭頸部の神経とリンパ系
頭頸部の血管
脳神経
大脳,脳幹
脳の動脈
脳室
頭部と脳の断面
自律神経
9 頭部の感覚器
眼と視覚路
眼球付属器
平衡聴覚器
中耳と内耳
10 上部の呼吸器および消化器系
鼻腔
喉頭
口腔,歯
咀嚼筋
舌
舌筋,咽頭筋
11 内分泌腺
松果体,下垂体
甲状腺,上皮小体,胸腺,腎上体(副腎)
12 人体の断面
頭部の断面
胸部および腹部の断面
骨盤部および大腿の断面
付録1 解剖学用語の漢字の起源
付録2 病理標本
索引(和英対照)
体の構成
体腔
体の部位と方向を表す用語
体の面
体の部位
骨
関節
筋
血管
2 骨格
人体の骨格
椎骨と脊柱
体幹と上肢帯および胸郭の骨格
3 胸部,腹部および背部
胸・腹壁の筋
鼡径部
背部の筋と神経
脊髄
4 上肢と下肢
上肢
肩関節と上腕骨
前腕および手,指の骨
腕および手,指の靱帯
肩および上肢の筋
上肢の動脈
上肢の静脈,腕神経叢
上肢の神経
下肢
骨盤
股関節と大腿骨
膝関節と下腿の骨
足の骨と靱帯
下肢の生体観察と筋
下肢の動脈
下肢の静脈
下肢の神経
下腿,足背,足底の血管と神経
5 胸部内臓
循環系
心臓
心臓の弁
心臓の血管
心臓の刺激伝導系
リンパ系,脾臓
呼吸器,肺
前胸壁・乳腺・腋窩リンパ節
気管支樹
横隔膜
6 腹部内臓
消化管
胃,膵臓,胆嚢
肝臓と門脈
腸と腸粘膜
腹部の血管と神経
7 泌尿生殖器および腹膜後器官
泌尿器系
腎臓
男性生殖器
女性生殖器
胎児とその発育
女性外陰部
8 頭頸部
頭蓋骨
頭部の筋
頭頸部の神経とリンパ系
頭頸部の血管
脳神経
大脳,脳幹
脳の動脈
脳室
頭部と脳の断面
自律神経
9 頭部の感覚器
眼と視覚路
眼球付属器
平衡聴覚器
中耳と内耳
10 上部の呼吸器および消化器系
鼻腔
喉頭
口腔,歯
咀嚼筋
舌
舌筋,咽頭筋
11 内分泌腺
松果体,下垂体
甲状腺,上皮小体,胸腺,腎上体(副腎)
12 人体の断面
頭部の断面
胸部および腹部の断面
骨盤部および大腿の断面
付録1 解剖学用語の漢字の起源
付録2 病理標本
索引(和英対照)