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これならわかる! かんたんポイント心電図 第2版

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新人ナースのアキちゃんは、心電図が大の苦手。でも、Dr. Oが臨床に必要なポイントだけをわかりやすく教えてくれるから大丈夫! 読み進むうちに、心電図のしくみから診断までが自然に理解できる。これから心電図を学ぶ人にも、心電図の知識をもう一度整理したい人にもぴったりの1冊。
●「看護師のためのwebマガジンかんかん!」 連載
奥出潤 クイズで学ぼう! かんたんポイント心電図
奥出 潤
発行 2011年01月判型:A5頁:192
ISBN 978-4-260-01191-4
定価 2,640円 (本体2,400円+税)

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  • 序文
  • 目次
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はじめに

 心臓病や高血圧,動脈硬化を持つ患者さんは増加の一途。どこの病棟にも高齢者がいっぱい。やっぱり心電図くらいわからないとダメかな?
 そんなナースも,いざ心電図を勉強しようとするとなかなか大変ですね。テキストは買ったけれども,途中で投げ出してしまった人も多いのではないでしょうか。
 この本はそんな「心電図アレルギー・ナース」のための,心電図入門書です。
 本書では,ナースが一番苦手としている電気生理やイオンの出入り,刺激伝導系などは思い切って簡単にしてみました。ポイントを絞ってあるので,読み進むうちに,心電図のしくみから臨床で見られる心電図の診断まで自然に理解できるはずです。これから心電図を学ぼうとする人にも,心電図の知識をもう一度整理したい人にもぴったりです。
 登場人物は新米ナースのアキちゃん。皆さんと同じ心電図アレルギー・ナースです。今回,主任と一緒に,心臓血管外科のO先生に心電図の基礎から教えてもらいます。
 さあ,みなさんもアキちゃんと一緒に心電図の勉強を始めましょう。
 心電図はそんなに怖いものではありませんよ。

 Dr.O 奥出 潤

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Chapter 1 心電図の勉強を始めよう!
 1 心電図の勉強を始めよう!
 2 心電図の重要性と生活習慣病
 3 心疾患の危険因子とメタボリック症候群
 4 心電図診断の4つのステップ(1)
 5 心電図診断の4つのステップ(2)
 6 ナースからの理想の電話

Chapter 2 まずは心電図の基本から
 1 解剖のポイントは2つだけ(1)
 2 解剖のポイントは2つだけ(2)
 3 心電図の種類もいろいろあるけれど
 4 12誘導心電図のとり方をマスターしよう
 5 電極をすばやくつける裏技
 6 良い心電図をとるためには?
 7 12誘導の意味するものは?(1)
 8 12誘導の意味するものは?(2)

Chapter 3 心電図の成り立ちを理解しよう
 1 ナースの苦手は「イオン」と「刺激伝導系」
 2 刺激伝導系は簡単に済ませたい
 3 みんな自分のリズムを持っている
 4 心電図はどうしてできるか?
 5 心電図波形の3つのルール(1)
 6 心電図波形の3つのルール(2)

Chapter 4 実際の心電図を見てみよう
 1 実際の心電図を見てみよう
 2 QRSは心室収縮(脱分極)
 3 QRSと3つのルール
 4 T波は心室の再分極
 5 心電図のマス目を使って計測しよう
 6 心電図の計測値をチェック
 7 電気軸は左下向きが正常
 8 刺激伝導系は心電図に出てこない
 9 もう一度,正常心電図のパターンを確認しよう
 10 実際の心電図も,一度見ておこう

Chapter 5 患者さんの心電図を読みとろう
心肥大と脚ブロック
 1 心房肥大はPで見る
 2 左室肥大はQRSが極端
 3 右室肥大は右寄りのQRS
 4 脚ブロックはギザギザQRS
 5 WPW症候群は先取り三角
虚血性心疾患
 1 心臓と冠動脈
 2 心筋梗塞はどんな病気?
 3 心筋梗塞の心電図を見てみよう(1)
 4 心筋梗塞の心電図を見てみよう(2)
 5 心筋梗塞の心電図を見てみよう(3)
 6 心筋梗塞の心電図を見てみよう(4)
 7 狭心症はST低下?
 8 狭心症をどうやって見つけるか?
 9 異型狭心症:STが上昇する狭心症もある
 10 心膜炎でもST上昇!
不整脈
 1 正常の脈って?
 2 洞性頻脈と洞性徐脈
 3 洞不全症候群
 4 期外収縮とは?
 5 上室性期外収縮
 6 心室性期外収縮は異常な形
 7 心室性期外収縮のいろいろなパターン
 8 発作性上室性頻拍は突然起こる
 9 心室頻拍は注意が必要
 10 全く不規則な心房細動
 11 心房細動の臨床的意味は?
 12 心房粗動はギザギザF波
 13 心室細動は心停止と同じ
 14 電気的除細動とAED
 15 ブルガダ症候群って何?
 16 房室ブロック:心房・心室の連絡不良
 17 II度房室ブロック
 18 完全房室ブロック(III度房室ブロック)
 19 危険な不整脈・注意すべき不整脈

Chapter 6 こんな心電図も知っておきたい
 1 電解質の異常
 2 薬物の影響も忘れないで
 3 ペースメーカーについても少しだけ
 4 ペースメーカーの心電図を見てみよう
 5 モニター心電図の見方・考え方(1)
 6 モニター心電図の見方・考え方(2)
 7 ホルター心電図について
 8 小児の心電図

Chapter 7 学んだことを臨床に活かそう
 1 心電図を読む練習をしよう(1)
 2 心電図を読む練習をしよう(2)
 3 心電図を読む練習をしよう(3)
 4 「ナースからの理想の電話」をもう一度
 5 ドクターを待つ間にナースができること(1)
 6 ドクターを待つ間にナースができること(2)
 7 これからのナースに望むこと

心電図に関連した略語一覧
あとがき
さくいん

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心電図と向き合う決心を後押しする (雑誌『看護教育』より)
書評者: 蜂ヶ崎 令子 (聖路加看護大学基礎看護学)
 ICUに配属された経験のあるナースで,心電図に関する書籍を購入したことがあるという人は多いのではないだろうか。現に私もその1人である。看護学生時代にはPQRSTの波形とその意味を知るくらいで済んでいた。しかし,ICUナースとして臨床現場に出た途端,モニター上の心電図波形を瞬時に読み,緊急性が高いものか経過観察してもよいものかを判断しなければならなくなる。昨今の一般病棟は一昔前のICU並に入院患者の重症度が増している。「(死因はがんがトップだが)がんの患者さんにも心臓や血圧の持病がある人がたくさんいる。(中略)常に心疾患を意識していることが必要」と,著者の言葉にもあるように,いまやすべてのナースの前に“心電図という壁”が立ちはだかっているといえる。心電図は波形を読もうと向き合わなければ決して読めるようにはならない。しかし,向き合おうと決心することさえできれば,しめたもの。波形を読むポイントとコツを教えてくれる優良なテキストという味方をつければ,それほど手強い相手ではなくなるのではないだろうか。

 私は会話式に書かれた書籍を読むのが実は少し苦手である。誰がどの立場で何を話しているのか混乱してわかりにくくなるからである。しかし,この本では,ナースとドクターとのやりとりが,かえってわかりやすさを増している。誰もが疑問に思うであろうことを,いいタイミングでナースがドクターに質問するのである。「心電図はどうしてアルファベットのAからではなく,Pから始まるの?」「サイナスリズム=正常なの?」「QRSの幅が広いと必ず異常なの?」などなど。ドクターはこれらにズバリ“快”答してくれる。

 また,実践向きだと感心したのは,臨床でよくつかわれる略語表が載っており,よくみかけるけど意味がわからないといった心電図に関連する略語を英語,日本語,さらには該当ページまでも並列に表記している点である。アルファベット恐怖症になりがちな新人ナースにはうってつけである。欲を言えば,略語表記されることが多い冠状動脈を詳細に示した解剖図があるとさらに活用度がアップしそうである。

 そして,心電図の取り方や読み方を解説している本はよくある。というか,それだけに終始しているものがほとんどである。この本で特筆すべきは,心電図で異常波形を見つけたときの医師への伝え方がわかるうえに,医師が到着するまでの間に自分が何をして待つべきなのかを教えてくれているところである。まさに,かゆいところに手が届く一冊!

 実習中の看護学生や卒業したてホヤホヤの新人ナースから,心電図の基本を学びなおしたい中堅まで幅広く,末永く活用していただけると思う。

(『看護教育』2011年5月号掲載)
心電図アレルギーからの解放
書評者: 島本 和明 (札幌医大学長/理事長)
 心電図は,胸部X線写真と共に,すべての患者で最初に施行される検査である。一方で,心電図は死に至る多くの心疾患の診断に重要であり,見逃しの怖い検査でもある。

 医学部学生や循環器を専門としない医師に対して,これまで何回も心電図の講習会を行ってきたが,心電図は苦手という意識を持っている方が多かった。しかし,半日あるいは1日の講習で,心電図を眺めるという立場から計測を含めて読む経験をすることで,“意外と心電図はわかりやすいものですね”と最後に多くの方が言われ,安心したものである。

 今回,奥出潤先生が,『かんたんポイント心電図』を出版された。奥出先生は,循環器医師として活躍してこられたが,一方で,心電図を苦手とする看護師のために,研修会活動を通して心電図の理解に努力されてきた。本書は,奥出先生のそれらの経験を生かして執筆されたものだが,看護師が心電図をわかりやすく理解するために,多くの工夫を凝らしている。1つは,はじめに,消化器内科病棟の看護師という設定で,循環器科病棟ではない部署で働いている看護師の心電図に対する悩みから入っている点である。多くの看護師が心電図に感じている不安を表しており,次の項目へとスムーズに入っていける。次に,緊急の判断と看護師のとるべき医療がわかりやすく書かれている。循環器病棟の対処と非循環器病棟の対処が異なるのは当然であるが,いずれにしても必要最低限の判断と対策は必須である。その点が,十分理解できるように紹介されている点は,特筆に値する。すべての項目が理解されやすく整理されていることと,言葉遣いがやさしいことも読者を安心させる。

 次に,すべての項目を見開き2ページとし,カラー図表を多用して,読んでみようという気にさせている点である。ついつい引き込まれて,最後まで読んでしまうことになる。一方,見出しがわかりやすいので,見たい項目のみ選んで読むにも使用しやすい本になっている。このようなわかりやすい心電図入門書により,多くの看護師の方々が心電図アレルギーから解放されると期待している。

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