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今日の整形外科治療指針 第6版

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第一線の専門医による最新の知見をまとめた、定評ある“整形外科臨床百科事典”の全面改訂第6版。治療だけでなく、診断のポイント、後療法のポイント、患者・家族への説明のポイントなど診断・治療・ケアについて総合的に記載。治療法も手術療法に加え、保存療法についても詳しく扱っている。全項目全面書き下ろしによる、整形外科臨床に携わるすべての医師必携の書。
シリーズ 今日の治療指針
編集 国分 正一 / 岩谷 力 / 落合 直之 / 佛淵 孝夫
発行 2010年06月判型:B5頁:912
ISBN 978-4-260-00802-0
定価 19,800円 (本体18,000円+税)
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第6版 序

 1987年の初版から早23年,前版から既に6年が経過し,この度第6版を出版するに到りました。前版を以て二ノ宮節夫(故人),富士川恭輔,越智隆弘の3氏が引退され,国分正一,岩谷 力に落合直之,佛淵孝夫が加わった4名で編集を担当しました。
 本書は改訂の度に整形外科の診断,治療法の進歩に沿った項目が加えられ,他方,極端な頁数増を避けるべく項目の統合ないし廃止が図られて参りました。今版でも,前版からの6年間に市中病院あるいは医院にまでほぼ定着したと思われる内容を新たに盛り込むことに努めました。このように版を重ねるに伴い蓄積,整理された知識の故に,本書は実践的な「整形外科疾患の診療事典」として不動の地位を確立するに到りました。読者諸氏の長年に亘るご愛読とお寄せいただいたご意見に厚く御礼申し上げます。同時に,不変の骨格を組まれた初版の編集者である山内裕雄,真角昭吾(故人),辻 陽雄,桜井 実の4氏の慧眼に感服するものであります。
 今版は前版までの「リハビリテーション」と「整形外科医と介護・福祉」の2章を「運動器リハビリテーション」の1章に統合して全28章とし,総数597項目を314名の筆者に担当頂きました。特に第1章の「診断と治療総論」では,最近の技術の進歩と整形外科医療環境の変化をご理解いただけるよう,「整形外科におけるナビゲーションとロボット」,「椎体形成術」,「運動器不安定症」,「EBMを正しく理解するために」,「ガイドラインの考え方」,「痛み・QOL評価」,「整形外科医療と診療報酬」,「介護予防」,「安全管理(リスクマネジメント)」,「インフォームド・コンセント」を新たに採用しました。
 これまでに倣って執筆経験者には異なった項目をご担当いただきました。そのうえでガイドラインが発表されている疾患では,ご自分の治療法のガイドライン上での位置付けを述べていただきました。他方,大半の疾患はガイドラインがありません。幸いに本書の各執筆者は臨床経験が豊富で,それぞれの分野で指導的役割を担っておられます。したがって,彼らの記述する治療指針は十二分に信頼しうるものです。なお,過去の版と比較されますと,複数の異なった考え方,方法と,時の流れに伴うそれらの変化をご理解いただけるものと存じます。
 最後に,ご多用の中,執筆の労を厭わず,ご協力くださった執筆者各位に厚く御礼申し上げます。加えて,本書が一般外傷医,看護師,理学・作業療法士の方々にも利用され,それが最終的に患者の幸せに結び付くことを願う次第です。

 2010年5月
 編集者一同

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1 診断と治療総論
2 外傷一般
3 スポーツ外傷と障害
4 感染性疾患
5 関節リウマチ,慢性関節疾患および骨壊死症
6 骨・軟部腫瘍および腫瘍類似疾患
7 骨系統疾患,代謝性骨疾患
8 筋・神経疾患
9 末梢循環障害,壊死性疾患
10 運動器リハビリテーション
11 肩甲帯の疾患
12 上腕の疾患
13 肘関節の疾患
14 前腕の疾患
15 手関節の疾患
16 手の疾患
17 脊椎・脊髄疾患
18 脊柱変形
19 頚椎部の疾患
20 胸椎部,胸郭の疾患
21 腰・仙椎部の疾患
22 骨盤の疾患
23 股関節の疾患
24 下肢全体の問題
25 大腿の疾患
26 膝関節の疾患
27 下腿の疾患
28 足関節,足部の疾患

付録
 資料1.治療成績判定基準
 資料2.関節可動域表示ならびに測定法
 資料3.その他の資料
 和文索引
 欧文索引

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整形外科学の情報収集に有用な“診療事典”
書評者: 吉川 秀樹 (阪大教授・整形外科学)
 『今日の整形外科治療指針』の初版が出版されたのは,23年前である。当時,医学書院から毎年『今日の治療指針』が出版されていたが,整形外科関連の項目は少数に限られていた。待望の整形外科版が出版され,豊富な項目からなる整形外科の治療指針が示されており,病棟や当直室で,よく頁を開いたのを記憶している。この間,整形外科学は急速な進歩を遂げ,それに伴い本書も改訂を重ね,このたび,待望の第6版が出版された。主な改訂点は,新たな診断法・治療法の追加,項目の統合・廃止などである。今回は第一線で活躍中の314名の著者が,597項目を執筆しており,前版と比べると,第1章の「診断と治療総論」に大幅な改訂がみられる。整形外科技術の進歩と整形外科医療を取り巻く環境の変化に対応すべく,「整形外科におけるナビゲーションとロボット」「運動器不安定症」「EBMを正しく理解するために」「ガイドラインの考え方」「安全管理(リスクマネジメント)」「インフォームド・コンセント」などの新鮮な項目の記述が目につく。

 本書の初版からのキャッチフレーズである“整形外科疾患の診療事典”が構成のベースであるが,現代的にビジュアル感覚を重視し,記述は2色刷りで,シェーマ,写真をふんだんに盛り込んだ内容になっている。診断・治療のみならず,「後療法のポイント」「患者説明のポイント」「看護ケアとリハビリテーション上の注意」「ナース,PT・OTへの指示」など,臨床現場で生じる疑問に対し,即座に解決できるように構成されており,病棟勤務を始めた研修医や研修指導医にも心強い。

 また,本書のユニークな点は,随所に,経験豊富な大先輩からのコラム「私のノートから/My Suggestion」が掲載されていることであり,いずれのノートも一般の整形外科教科書からは得られない貴重な示唆に富んだ内容になっている。

 本書は,日常の整形外科外来診察,ベッドサイドでの整形外科診療に大変有用であり,医学部学生,研修医のみならず,病院勤務医,開業医にも広く活用されるものと思う。また,専門医をめざす整形外科医の受験参考書としても使用することができる。日本整形外科学会専門医試験は,近年,臨床実地問題が多く出題され,口頭試験でも,治療方針やインフォームド・コンセントを問うことが恒例となっている。この点でも本書は,専門医として備えるべき知識と考え方を示しているとともに,専門医の知識の整理やさらなる研鑽にも有用であると考える。近年,日々変化する整形外科学の情報収集に有用な「診療事典」であり,全国の整形外科診療所,整形外科研修施設の収蔵図書として薦めたい。

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