ヒューマンバイオロジー
人体と生命

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医学・看護など医療専門職を目ざす人はもちろん、これから生物を学ぶ人にとっても最適の入門書。人体の全ての器官系と、人類の生物圏における役割について、オールカラーの美しいイラストを豊富に使用し、やさしく解説。生命倫理や地球環境を扱うコラムを多数掲載。章末に要約・復習問題・重要な用語を、巻末には用語解説を収載。
Sylvia S. Mader
監訳 坂井 建雄 / 岡田 隆夫
発行 2005年10月判型:A4変頁:576
ISBN 978-4-260-00156-4
定価 5,720円 (本体5,200円+税)
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  • 目次
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 第1章 人とは何だろうか
第1部 人体をつくるもの
 第2章 生命の化学
 第3章 細胞の構造と機能
 第4章 人体の構造と調節
第2部 人体を維持するしくみ
 第5章 消化器系と栄養素
 第6章 血液の組成と機能
 第7章 心臓血管系
 第8章 リンパ系および免疫系
 第9章 呼吸器系
 第10章 泌尿器系と排泄
第3部 人体を動かすしくみ
 第11章 骨格系
 第12章 筋系
第4部 人体に広がる情報網
 第13章 神経系
 第14章 感覚器
 第15章 内分泌系
第5部 人体の発生と加齢
 第16章 生殖器系
 第17章 性感染症
 エイズに関する補遺
 第18章 発生・発達と加齢
第6部 ヒトの遺伝学
 第19章 染色体と遺伝
 第20章 遺伝子と遺伝医学
 第21章 DNAと生物工学
 第22章 がん
第7部 人類の進化と生態学
 第23章 人類の進化
 第24章 生態系と人類による干渉
 第25章 生物多様性の保護
付録A 復習問題の解答
付録B 元素周期表
用語解説
図・写真などの提供者一覧
索引

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“人間という生物”を理解するために最適の教科書
書評者: 小路 武彦 (長崎大大学院教授・動的形態分子解析学)
 今般,Sylvia S. Maderによる『Human Biology(7th Edition)』の翻訳書「ヒューマンバイオロジー――人体と生命」が出版されたことは,医学・歯学・薬学・看護学・保健医学等の関連領域での活動をめざす初学者諸君ならびに,広く人間科学分野に興味を抱く学生諸君にとっては大変な朗報であろう。本書は,“人間という生物”を理解する上で必須と思われる解剖・生理学的な内容はもとより,疾病の基礎及び環境問題や遺伝問題,更には生命倫理に至るまで極めて幅広い内容を要領良く多数の美しい図版と写真を用いて解説を試みている。それとともに,適宜学習者の習熟度の検討と生命倫理に基づくオピニオン形成をめざした課題を組み込み,入門教科書として完成度の高い出来栄えとなっている。特に人間の社会活動へも目を向けられている点,文科系の専攻学生諸君にとっても教養人の素養として学習するにふさわしい内容を備えた教科書といえる。

 そもそも,私どもも,医学部専門科目の最も基本的な科目としての「人間生物学」の開設に際し,原著第3版時代から英文のまま教科書として導入してきた。現在,医学部等では高校で生物学を選択しておらず,生物学の基礎が皆無である学生諸君が増大していて修学上の問題となっている。こういった学生も含め知識レベルを一定の水準に設定することは,以降の円滑な教育を保障する上で極めて重要である。またまったく知識が欠損している分野の内容を原著で学ぶには,大変な労力を要するものであり,これらの点を一挙に解決できる一冊として,本書は待ち望まれていた。

 本書の内容は毎週90分,2コマで通年に渡る講義規模にレベル的にも量的にもまさに適切と思われる。また原著本の特徴の1つは,改訂を重ね絶えず内容の取捨選択を行っており,緊急性の高い内容は斬新に加えられてきた点であるが,本書は原著第8版と比較しても内容的に大差なく普遍的に必要とされる項目は定常的な扱いとされ網羅されているようである。

 さらに特筆されるべきは,監訳者が坂井建雄・岡田隆夫両先生であり,リストされている翻訳者の顔ぶれも含め,この種の教科書の著作ならびに翻訳には定評がある方々の手によるということである。一般に翻訳本では直訳的で意味不明な部分を少なからず目にするものであるが,本書では徹底的に校正がなされているようで,大変読みやすい慣用的表現の日本語になっている。また適宜訳注が施されていて読者の理解を容易にする工夫がなされており,特に日本と米国で差のある部分では必要なデータが加えられている。

 従って,読者諸君には“人間という生物”を理解する上での必要項目を多様な角度からバランスよく吸収できる入門教科書として,本書を全幅の信頼をもって安心して勉強して頂けるものと確信し,ご推薦申し上げる次第である。

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