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言語聴覚士のための基礎知識
臨床神経学・高次脳機能障害学

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言語聴覚士をめざす学生のための教科書シリーズの1冊。言語聴覚士に必要な「臨床神経学」の知識に加え、その先の専門科目で学ぶ「高次脳機能障害学」への橋渡し的な内容まで網羅した新しい体系のテキスト。第一線の執筆者による最新情報を盛り込み、若手臨床家の知識の整理にも役立つ内容になっている。
シリーズ 言語聴覚士のための基礎知識
編集 岩田 誠 / 鹿島 晴雄
発行 2006年05月判型:B5頁:348
ISBN 978-4-260-00082-6
定価 5,720円 (本体5,200円+税)

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  • 目次
  • 書評

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第I章 臨床神経学総論
第II章 神経系の構造・機能・病態
 1節 中枢神経系の構造・機能・病態
 2節 末梢神経系の構造・機能・病態
第III章 臨床神経学各論
 1節 臨床神経学の診断と検査
 2節 主要な神経症候
第IV章 高次脳機能障害学
 1節 神経心理学とは
 2節 高次脳機能障害の発生メカニズムと種類(病態,症状,病巣など)
 3節 神経心理症状の評価とリハビリテーション
 4節 神経心理症状の特徴と鑑別診断
第V章 運動障害性構音障害
索引

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広範な内容をカバーする 本領域に携わる人の必携書
書評者: 松本 博之 (北海道文教大教授・理学療法学科)
 この度,岩田誠教授と鹿島晴雄教授が編集し発行された『言語聴覚士のための基礎知識 臨床神経学・高次脳機能障害学』を読ませてもらう機会があった。全体を通読して本書は同様の内容を扱った書物に比べて臨床神経学の基礎知識に頁が割かれているのが特徴である。これは高次脳機能障害が主として脳の疾患に起因するので,当然のことながら臨床神経学の基礎を理解することは重要であるとの立場から本書が構成されているためである。まず,神経機能検査法,主要な神経症候について記述してあり,次いで,高次脳機能障害について各症状の特徴と鑑別診断の解説に進む構成になっている。

 その後,神経心理症状の評価とリハビリテーションについて概説してから,認知症,失語,失読,失書,視覚・視空間失認,聴覚失認,失行,情動の障害,記憶障害,離断症候群,前頭葉症状,右半球症状などについてより詳しい解説をしている。さらに,最後の章では言語聴覚士の担当分野として大切な運動性構音障害を取り上げ,実践的リハビリテーションについても紹介している。

 このように述べてくると,本書は通読することで全体を理解する本のように思われるかもしれないが,巻末には欧文と和文の索引が整備されているので索引から必要な事項だけを学ぶこともできる。また,引用文献は大部分が日本語なので読者が必要に応じて容易に原著を参照できるのも便利である。

 本書で臨床神経学から高次脳機能障害学に及ぶ広範な内容を取り上げることができたのは,各分野の適切な専門家38名を選定できたためであり,また,分担者が多いのにも関わらず適宜図や表を配置して読みやすくまとめられているのも本書の特徴である。この2つの点で編集者の意図は成功しており,言語聴覚士や神経心理学を専攻する人はもちろんのこと,この領域に興味のある医師にも知識の整理のために推薦できる良書である。

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