図解 知っておきたい病態生理
「看護学雑誌」の好評連載を増補して刊行
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病態生理は,健康が損なわれた人の内部を支配するルールである。従ってそのルールさえしっかり覚えておけば,健康が損なわれたときに何がおこるか,どうしてその薬が必要か,どの検査値に注意していればよいかが分かる。本書では,ナースが日常遭遇することの多い疾患の病態生理を解説。「看護学雑誌」に2年間連載し好評を得たシリーズを増補して刊行。
著 | 西崎 統 |
---|---|
発行 | 2002年12月判型:B5頁:248 |
ISBN | 978-4-260-33251-4 |
定価 | 2,640円 (本体2,400円+税) |
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■循環器・呼吸器疾患
1. うっ血性心不全
2. 狭心症
3. 心筋梗塞
4. 高血圧症
5. 先天性心疾患
6. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
■消化器疾患
7. 胃・十二指腸潰瘍
8. B型肝炎とウイルスマーカー
9. C型肝炎と肝硬変
10. 黄疸と胆石症
11. 炎症性腸疾患
■代謝・内分泌性疾患
12-1. 糖尿病-血糖調節のしくみと破綻
12-2. 糖尿病-合併症発症のメカニズム
12-3. 糖尿病-検査と治療のしくみ
13. 甲状腺機能亢進症
14. 橋本病と甲状腺機能低下症
■血液・造血器疾患
15. 貧血症
16. 白血病
■腎疾患
17. 急性腎不全
18. 慢性腎不全
■脳・神経疾患
19. 脳梗塞
20. 脳出血・くも膜下出血
21. パーキンソン病
■その他
22. がん
■索引
1. うっ血性心不全
2. 狭心症
3. 心筋梗塞
4. 高血圧症
5. 先天性心疾患
6. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
■消化器疾患
7. 胃・十二指腸潰瘍
8. B型肝炎とウイルスマーカー
9. C型肝炎と肝硬変
10. 黄疸と胆石症
11. 炎症性腸疾患
■代謝・内分泌性疾患
12-1. 糖尿病-血糖調節のしくみと破綻
12-2. 糖尿病-合併症発症のメカニズム
12-3. 糖尿病-検査と治療のしくみ
13. 甲状腺機能亢進症
14. 橋本病と甲状腺機能低下症
■血液・造血器疾患
15. 貧血症
16. 白血病
■腎疾患
17. 急性腎不全
18. 慢性腎不全
■脳・神経疾患
19. 脳梗塞
20. 脳出血・くも膜下出血
21. パーキンソン病
■その他
22. がん
■索引
書評
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いちばんシンプルでわかりやすい病態生理の本
書評者: 大島 弓子 (愛知県立看護大学教授)
◆「病気」を学ぶには?
看護教育の中で,対象の健康状態に大きくかかわる病気をどのように学生に理解してもらうかについては,日々悩むところであり,私自身もその取り組みを長年,書籍で行なってきている。そのため,疾患や病態に関連した書籍をみると,いかに理解しやすくするために工夫されているかなどクリティークすることが常である。
その視点で本書を手にして読み進めると,随所に,いかに病態を読者に理解してほしいかの気持ちが伝わってくる。本書が『看護学雑誌』に連載されていたものをまとめ直していることからも,看護で活用できる内容へと精選されているとともに,アップデートの内容を盛り込んだり,自身で理解を確認する項を設けるなどの工夫が施されたのではないかと感じている。
◆臨床でよく出会う疾患に焦点化
精選の視点からは,2つの特徴が感じられ,それが本書の特長につながっていると思う。
1つ目は,本書は器官系統別に主たる疾患を取り上げており,疾患を網羅的に理解していくというのではなく,臨床的に出会う頻度の高いものが選択されているために,理解するためのボリュームが苦になる量ではない。つまり焦点が絞れて理解できるのではないかと思う。例えば,循環器・呼吸器疾患では,「うっ血性心不全」「狭心症」「心筋梗塞」「高血圧症」「先天性心疾患」「慢性閉塞性肺疾患」の6つが上げられている。この6つは,その病態を持つ患者に出会う頻度が臨床上高いと思われ,興味・関心も高い。また,初学者である学生には特に,実習で受け持つ患者の状態であることが多い。この視点で病態を理解することを目指し病態をクリアカットすることを私も試みているが,踏ん切りがつかないことも多い。その点,本書はその姿勢を明確に打ち出していると思う。
◆クリアカットでシンプルな図解
2つ目は,内容である。その病態を理解するために,メカニズムの大筋を論理的に理解できるように複雑な内容を精選し,できるだけ骨子だけになるよう工夫されていると思う。著者も「序」で,わかりやすくするためにクリアカットした意味を述べている。この点も,簡単にそのようにできそうでいて,なかなか踏ん切れないことであり,それはねらいどおり,理解しやすい内容になっていると思う。さらに,図もその内容に合わせて,シンプルに表されている。初学者が病態を理解するのに取り組む手始めや,臨床でその病態を確認しておきたいと考える時,内容や図が複雑であると敬遠しがちになるが,その点,本書はすっきりしているため,読みやすいと思う。
これら2つの精選は看護学を教授する私たち教師にとっても大切なことであり参考になる。たくさん,詳しく,網羅して教授したくなる内容をこのように精選するには,吟味を重ねた結果のたまものであろうと思われ,教授内容を構築していく際にも役立つのではないかと思う。
書評者: 大島 弓子 (愛知県立看護大学教授)
◆「病気」を学ぶには?
看護教育の中で,対象の健康状態に大きくかかわる病気をどのように学生に理解してもらうかについては,日々悩むところであり,私自身もその取り組みを長年,書籍で行なってきている。そのため,疾患や病態に関連した書籍をみると,いかに理解しやすくするために工夫されているかなどクリティークすることが常である。
その視点で本書を手にして読み進めると,随所に,いかに病態を読者に理解してほしいかの気持ちが伝わってくる。本書が『看護学雑誌』に連載されていたものをまとめ直していることからも,看護で活用できる内容へと精選されているとともに,アップデートの内容を盛り込んだり,自身で理解を確認する項を設けるなどの工夫が施されたのではないかと感じている。
◆臨床でよく出会う疾患に焦点化
精選の視点からは,2つの特徴が感じられ,それが本書の特長につながっていると思う。
1つ目は,本書は器官系統別に主たる疾患を取り上げており,疾患を網羅的に理解していくというのではなく,臨床的に出会う頻度の高いものが選択されているために,理解するためのボリュームが苦になる量ではない。つまり焦点が絞れて理解できるのではないかと思う。例えば,循環器・呼吸器疾患では,「うっ血性心不全」「狭心症」「心筋梗塞」「高血圧症」「先天性心疾患」「慢性閉塞性肺疾患」の6つが上げられている。この6つは,その病態を持つ患者に出会う頻度が臨床上高いと思われ,興味・関心も高い。また,初学者である学生には特に,実習で受け持つ患者の状態であることが多い。この視点で病態を理解することを目指し病態をクリアカットすることを私も試みているが,踏ん切りがつかないことも多い。その点,本書はその姿勢を明確に打ち出していると思う。
◆クリアカットでシンプルな図解
2つ目は,内容である。その病態を理解するために,メカニズムの大筋を論理的に理解できるように複雑な内容を精選し,できるだけ骨子だけになるよう工夫されていると思う。著者も「序」で,わかりやすくするためにクリアカットした意味を述べている。この点も,簡単にそのようにできそうでいて,なかなか踏ん切れないことであり,それはねらいどおり,理解しやすい内容になっていると思う。さらに,図もその内容に合わせて,シンプルに表されている。初学者が病態を理解するのに取り組む手始めや,臨床でその病態を確認しておきたいと考える時,内容や図が複雑であると敬遠しがちになるが,その点,本書はすっきりしているため,読みやすいと思う。
これら2つの精選は看護学を教授する私たち教師にとっても大切なことであり参考になる。たくさん,詳しく,網羅して教授したくなる内容をこのように精選するには,吟味を重ねた結果のたまものであろうと思われ,教授内容を構築していく際にも役立つのではないかと思う。
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