気管支鏡 第2版
臨床医のためのテクニックと画像診断
学会編集による気管支鏡テキスト、10年ぶりの改訂
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日本呼吸器内視鏡学会編集による『気管支鏡 臨床医のためのテクニックと画像診断』の改訂第2版。同学会では気管支鏡検査の正しい普及を目的に、気管支鏡セミナー、専門医試験を行っているが、本書はこれらを背景に企画・編集された信頼に足るテキスト。新たな知見・気管支鏡技術の進歩なども取り入れた全面改訂版。
編集 | 日本呼吸器内視鏡学会 |
---|---|
発行 | 2008年06月判型:B5頁:288 |
ISBN | 978-4-260-00022-2 |
定価 | 12,100円 (本体11,000円+税) |
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序文
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第2版 序
初版の発行から早10年が経ち,医療の崩壊が危惧されるなか,気管支鏡検査ならびに気管支学のあり方も変わってきました.初版本は,学会が成熟期を迎え,それまでに培った成果の報告と今後の発展のための礎として,発行されたものでした.その結果,先駆的なテキストとして使用されてきましたが,一方,種々の問題をご指摘いただきました.
最も大きな問題は,患者や術者,施設などの条件が種々異なる状況で,高度な技術が要求される気管支鏡検査においては,標準的手技の決定が難しいことです.また,初版発行後,新たな気管支鏡検査手技の普及や新たな概念の導入があり,全体的な見直しが必要になりました.さらに気管支鏡検査のみならず医療をめぐる大きな環境の変化,たとえばリスクに対する考え方,ガイドラインの法的な判断,インフォームドコンセントの普及,
また専門医制度に対する社会のニーズなどがあり,それらにも対応していくことが必要となりました.
そこで,日本気管支学会(現日本呼吸器内視鏡学会)内の学術企画委員会,将来計画委員会,専門医制度委員会などでの方針をもとに,初版本の編集過程を踏まえ編集責任者として選定され,改訂作業を開始しました.改訂作業とはいえ種々の困難を経験しましたが,関係諸氏のご協力により発行に至ることができました.この場を借りて厚く御礼申し上げます.
本書の目的は,気管支鏡検査に関連する日常診療への支援と適切な診療レベルの維持,さらに,よりよい医療のための参考であり,本書に記載されたもの以外の診療を否定するものではありません.気管支鏡検査に限らず,医療は本来,それぞれの患者ごとに,医師が適切な検査を判断して,患者の同意をもって行うものであり,このことにおいて本書は1つの基準を示すにすぎず,基本的には術者や関係する医師各人がそれぞれの患者において,適切に気管支鏡検査を行っていただくことを前提としています.それぞれの患者や施設,目的などの条件をもとにして,担当の医師の判断で標準レベルを確保した気管支鏡検査を適切に選択し,患者の同意のもとに担当医師の責任で行うことが医師の裁量であり,その結果の責任を学会や本書が担うものではありません.
完全な気管支鏡検査が決定されていない現在,また常に最良のものを求めて進む医療の本質から,本書においても種々の問題が指摘されると考えております.これらに関して,問題点とその解決法を,ぜひ学会に寄せていただきたいと思います.それをもとに,今後,さらなる気管支学の発展を通して,本書が国民医療の向上に寄与できることを切望いたします.
2008年5月
編集責任者 福岡 正博・土屋 了介
初版の発行から早10年が経ち,医療の崩壊が危惧されるなか,気管支鏡検査ならびに気管支学のあり方も変わってきました.初版本は,学会が成熟期を迎え,それまでに培った成果の報告と今後の発展のための礎として,発行されたものでした.その結果,先駆的なテキストとして使用されてきましたが,一方,種々の問題をご指摘いただきました.
最も大きな問題は,患者や術者,施設などの条件が種々異なる状況で,高度な技術が要求される気管支鏡検査においては,標準的手技の決定が難しいことです.また,初版発行後,新たな気管支鏡検査手技の普及や新たな概念の導入があり,全体的な見直しが必要になりました.さらに気管支鏡検査のみならず医療をめぐる大きな環境の変化,たとえばリスクに対する考え方,ガイドラインの法的な判断,インフォームドコンセントの普及,
また専門医制度に対する社会のニーズなどがあり,それらにも対応していくことが必要となりました.
そこで,日本気管支学会(現日本呼吸器内視鏡学会)内の学術企画委員会,将来計画委員会,専門医制度委員会などでの方針をもとに,初版本の編集過程を踏まえ編集責任者として選定され,改訂作業を開始しました.改訂作業とはいえ種々の困難を経験しましたが,関係諸氏のご協力により発行に至ることができました.この場を借りて厚く御礼申し上げます.
本書の目的は,気管支鏡検査に関連する日常診療への支援と適切な診療レベルの維持,さらに,よりよい医療のための参考であり,本書に記載されたもの以外の診療を否定するものではありません.気管支鏡検査に限らず,医療は本来,それぞれの患者ごとに,医師が適切な検査を判断して,患者の同意をもって行うものであり,このことにおいて本書は1つの基準を示すにすぎず,基本的には術者や関係する医師各人がそれぞれの患者において,適切に気管支鏡検査を行っていただくことを前提としています.それぞれの患者や施設,目的などの条件をもとにして,担当の医師の判断で標準レベルを確保した気管支鏡検査を適切に選択し,患者の同意のもとに担当医師の責任で行うことが医師の裁量であり,その結果の責任を学会や本書が担うものではありません.
完全な気管支鏡検査が決定されていない現在,また常に最良のものを求めて進む医療の本質から,本書においても種々の問題が指摘されると考えております.これらに関して,問題点とその解決法を,ぜひ学会に寄せていただきたいと思います.それをもとに,今後,さらなる気管支学の発展を通して,本書が国民医療の向上に寄与できることを切望いたします.
2008年5月
編集責任者 福岡 正博・土屋 了介
目次
開く
第I章 機器
第II章 感染対策
第III章 気管支鏡検査の適応,説明と同意の考え方
第IV章 基本手技
第V章 気管支鏡検査に使用される薬物の動態
第VI章 気道の解剖と正常内視鏡所見
第VII章 気管支鏡検査に必要なCT解剖と基礎的知識
第VIII章 診断方法
1 診断の進め方
2 直視下所見のとらえ方
3 蛍光気管支鏡
4 気管支腔内超音波断層法
5 検体採取法と処理方法
第IX章 治療手技
1 治療の考え方
2 レーザー照射による焼灼・昇華治療
3 光線力学的治療
4 高周波治療
5 密封小線源治療
6 気道ステント留置
7 喀血と気道分泌物の処置
8 気道熱傷
9 異物除去
10 気管支瘻の閉鎖
第X章 気管支鏡検査のリスクマネジメント
第XI章 各種疾患の気管支鏡所見
1 喉頭・気管・気管支結核
2 結核以外の炎症性疾患,瘢痕性気道狭窄
3 気管支喘息
4 良性肺腫瘍
5 気管腫瘍
6 肺癌
7 その他の肺悪性腫瘍
8 アミロイドーシスとWegener肉芽腫症
9 気管・気管支骨軟骨異形成症
10 気管支結石症
11 じん肺
12 Immotile Cilia Syndrome(Primary Ciliary Dyskinesia)
13 気管・気管支軟化症
14 喉頭・声帯の非結核性病変
15 サルコイドーシス
16 気管支動脈瘤
17 肺胞蛋白症
第XII章 その他(参考)
1 硬性気管支鏡
2 気管支鏡検査に使用される全身麻酔
3 小児の気管支鏡検査(ファイバースコープ/ビデオスコープを用いる手技)
4 薬物注入
5 アルゴン・プラズマ・コアギュレーション(APC)による病巣凝固法
索引
第II章 感染対策
第III章 気管支鏡検査の適応,説明と同意の考え方
第IV章 基本手技
第V章 気管支鏡検査に使用される薬物の動態
第VI章 気道の解剖と正常内視鏡所見
第VII章 気管支鏡検査に必要なCT解剖と基礎的知識
第VIII章 診断方法
1 診断の進め方
2 直視下所見のとらえ方
3 蛍光気管支鏡
4 気管支腔内超音波断層法
5 検体採取法と処理方法
第IX章 治療手技
1 治療の考え方
2 レーザー照射による焼灼・昇華治療
3 光線力学的治療
4 高周波治療
5 密封小線源治療
6 気道ステント留置
7 喀血と気道分泌物の処置
8 気道熱傷
9 異物除去
10 気管支瘻の閉鎖
第X章 気管支鏡検査のリスクマネジメント
第XI章 各種疾患の気管支鏡所見
1 喉頭・気管・気管支結核
2 結核以外の炎症性疾患,瘢痕性気道狭窄
3 気管支喘息
4 良性肺腫瘍
5 気管腫瘍
6 肺癌
7 その他の肺悪性腫瘍
8 アミロイドーシスとWegener肉芽腫症
9 気管・気管支骨軟骨異形成症
10 気管支結石症
11 じん肺
12 Immotile Cilia Syndrome(Primary Ciliary Dyskinesia)
13 気管・気管支軟化症
14 喉頭・声帯の非結核性病変
15 サルコイドーシス
16 気管支動脈瘤
17 肺胞蛋白症
第XII章 その他(参考)
1 硬性気管支鏡
2 気管支鏡検査に使用される全身麻酔
3 小児の気管支鏡検査(ファイバースコープ/ビデオスコープを用いる手技)
4 薬物注入
5 アルゴン・プラズマ・コアギュレーション(APC)による病巣凝固法
索引
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