皮膚科専門医Clinical Exercises

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雑誌『臨床皮膚科』(医学書院発行)に好評連載中の「Clinical Exercises」を問題・解説編としてまとめ、さらに専門医試験に必要な用語編を加えた、若手医師必携の1冊。臨床・研究の第一線の筆者らによる、専門医試験スタイルに則した多様な問題と、類義語との相違点や関連語を含むわかりやすい用語説明は、知識の整理に最適である。
編集 宮地 良樹 / 橋本 隆
発行 2001年02月判型:B5頁:196
ISBN 978-4-260-13351-7
定価 6,380円 (本体5,800円+税)
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  • 目次
  • 書評

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○問題篇 
1 皮膚科学序説 
2 皮膚の構造と機能 
3 皮膚の免疫学と病態生理 
4 皮膚病理組織学 
5 皮膚免疫組織 
6 湿疹および皮膚炎 
7 物理・化学的皮膚障害 
8 紅斑類および毛細血管拡張症 
9 紫斑 
10 血管・リンパ管の疾患 
11 蕁麻疹,痒疹,皮膚掻痒症 
12 中毒疹,薬疹 
13 水疱性・膿疱性疾患 
14 角化症 
15 色素異常症 
16 真皮の疾患 
17 膠原病とその類症 
18 皮膚付属器の疾患 
19 代謝異常症 
20 母斑,母斑症および皮膚良性腫瘍 
21 皮膚悪性腫瘍 
22 細菌性皮膚疾患 
23 皮膚結核および皮膚非定型抗酸菌症 
24 皮膚真菌症 
25 スピロヘータ・原虫・動物性皮膚疾患 
26 ウイルス性皮膚疾患および急性発疹症 
27 性感染症 
28 粘膜疹とその関連疾患 
29 内臓障害と皮膚病変 
30 治療 

○用語篇

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皮膚科スペシャリストとしてのあるべき姿を問う
書評者: 窪田 泰夫 (香川医大教授・皮膚科学)
 本書は2部構成からなり,第1部は皮膚科教科書に準拠した基礎的な内容からup to dateな最新の情報までを選択形式の問題とし,これに解説を加えて,各自の知識の確認や理解をめざすものである。また第2部はいわゆる用語解説集として皮膚科領域のトピックス的なキーワードを平易にまとめているものである。しかも近年注目されている内容が多岐にわたり,抜かりなく紙面を割いている点は編者に敬意を表したい。

◆知識や診断力のpolish upに

 本書のように問題形式で問われ,それに答える方式も知識の理解,習得,さらにその自在な活用にあたっては有益な方法の1つであろう。単に〇,×というのではなく,どの点が不備であったのかなどについても検討することが可能である。これまでも欧米の皮膚科雑誌では毎号テーマを設けて教育講座的な総説とそれに関連した選択式の問題が記載してあったり,現病歴とともに臨床や組織の写真を提示しての診断名クイズなどもあって,知識や診断力のpolish upに役立っている。月刊誌『臨床皮膚科』においても1994年より毎号,いわゆる“Clinical Exercises”として選択形式問題とその解説があり,皮膚科専門医試験をめざす医師のみならず,既皮膚科専門医の生涯教育にも大いに有用であった。第1部の問題と解説はこの内容の再編収録にさらに補強を加えたもので,第2部との上手な併用により現時点で皮膚科専門医に求められる皮膚科領域の最新知識の習得が可能となっている。
 編者がその序文で述べている内容も月並みではなく,皮膚のスペシャリストとしての皮膚科医のこれからのあるべき姿にも言及している。特に文中にある“皮膚科医の気概”とは,まさにプロとしての仕事は生涯が修業であり,卒業はありえないということかもしれない。その意味では本書は皮膚科専門医試験対策のみならず,日常診療に携わるすべての皮膚科医にとっても役立つ情報が数多く取り入れられており,利用価値の高い1冊である。

皮膚科専門医試験のための参考書
書評者: 小澤 明 (東海大教授・皮膚科学)
 「皮膚科専門医として,生涯教育を通じて基礎から先端医療までの知識と技量を日々アップデイトなものとし,社会の付託に応えることが求められている」と編者が序文で記しているように,本書はその目的を果たし得る企画と編集になっている。

◆皮膚科生涯教育書としても工夫

 日々進歩し,より専門性が追求されているのは皮膚科も例外ではなく,それに対応していくのはなかなか容易ではない。いくら文献を読んでも,講演を聴いても,そうは簡単に新しい知識として自分のものにするのは,年齢とともに辛いものもある。本書は,単に皮膚科専門医試験を受験する若い皮膚科医に対しての問題集という域を脱して,まさに生涯教育としての皮膚科学を勉強する上での工夫も凝らされている。すなわち,本書は2部構成として企画され,その内容,特徴は以下のごとくである。
[問題編]
・雑誌「臨床皮膚科」(医学書院刊)に1994年から連載されている「Clinical Exercises」からの128題を収載。
・問題にはすべて,解説,文献を付記,しかも内容は追記,増補されている。
・構成は,『標準皮膚科学』(医学書院刊)の構成に準拠し,さらに詳しい,あるいは周辺領域の事項の確認などのために,問題ごとに,その対応章が付記されている。
[用語編]
・271用語について,63名のそれぞれの分野のエキスパートが解説している。
・解説用語のすべてに,さらに理解を深めるための関連用語があげられている。
 以上のような企画と特徴から,本書は,編者が言うように,「全体を読了することで,現時点で皮膚科専門医に求められる皮膚科学の最近の進歩を有機的に修得できる」ものと言える。
 「臨床皮膚科」では,今なお「Clinical Exercises」は連載されており,今後も1-2年ごとに本書がシリーズ化されていくことを期待する。

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