図解 薬理学 第2版
病態生理から考える薬の効くメカニズムと治療戦略

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とかく難しいと思われがちな薬理学を、イラストですっきり解説したテキストの第2版。病態生理と薬理作用を1つの図にまとめることで、医療現場での薬の選択=治療戦略の把握に大きく貢献する1冊。また、疾患別のページ構成や、薬剤に商品名を併記するなど、実践に重きを置いているのが特徴。新章:抗癌剤「分子標的癌治療薬」追加で薬物治療におけるトピックもしっかり解説。
越前 宏俊
発行 2008年04月判型:B5頁:240
ISBN 978-4-260-00451-0
定価 3,080円 (本体2,800円+税)

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第2版序

 2001年に本書の初版を上梓して以来はやくも7年間の歳月が流れた.幸い初版は大方の読者から好意的な評価を受けることができたのであるが,「歳月人を待たず」の譬えの通り,その後の医学と薬物治療の進歩は速く,本書の内容にも多くの根本的な変更を迫られるようになった.本書の内容図版の一部は医学書院刊の「治療薬マニュアル」にも掲載されており,そちらの改訂は毎年行われてきたため,本家にあたる本書の内容との異同が著者としては気がかりになってきたのである.本書を教育に利用して頂いている方々に申し訳なく感じていた矢先,幸いにも医学書院の編集部から本書の大改訂への了解が得られ,著者は一念発起して今回の改訂を行うに至ったのである.
 今,初版の序を再読すると当時の執筆に当たり意図したところは現在でも十分に通用することに驚きを禁じ得ない.初版の序に当たり著者は薬物治療を多数の登場人物が活躍する大河小説になぞらえた.長編小説では,読者が物語の全体像を把握するのを助けるために,しばしば個々の登場人物の来歴や血縁関係を図式化して要所に掲載することがある.本書の意図するところは,錯綜する病態における薬物治療の全体像に対する理解を深めるために,個々の薬物の薬理作用を文章で記述するだけでなく簡略な図解を利用し,その中で同効薬との作用の相互関係をも示すことで学習者の薬物治療への理解を助けることにある.その後もこの必要性は益々増加している.その後の医学の進歩は,薬物治療という大河小説の登場人物を飛躍的に増加させ,さらに登場人物にはこれまで見かけることの少なかった分子標的薬なる一群も悪性腫瘍の治療を中心に大活躍を始めているからである.このような観点から,今回の改訂に際しては2007年末の時点での薬物治療関連の最新情報に基づいて収載薬物と記載内容を刷新した.
 初版から7年間の星霜を経て著者の身辺も当時とはいささか異なる状況が生まれた.著者を臨床薬理学の道に導き,その後も多大なる指導を頂いた石崎高志先生とMichel Eichelbaum先生は既に現役を退かれた.両先生は,その後も益々ご活躍であるが,気付けば著者自身が後進の指導を行う立場になっていたのである.もとより,浅学非才な著者に両先生のような役割を果たすことは不可能であるものの,何事かを次世代の方々に引き継いでいかねばならないのである.そのような思いも込めて,学生諸君の教科書としてはいささか異例ではあるが,重要な大規模試験などの記述には雑誌名と年号を附記する方式は前回から踏襲した.いささかでも薬物治療におけるEBMの重要さを示したかったためである.本書の意図するところが今回も好意的に受け止められることを祈っている.
 2008年3月
 越前 宏俊

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1 薬効の個人差
2 薬物のバイオアベイラビリティ
3 薬物相互作用
4 痛み(鎮痛薬)
5 炎症(副腎皮質ステロイド薬)
6 中毒
7 感染症 1)化学療法における薬物投与計画
8 感染症 2)中枢神経感染症
9 感染症 3)中耳炎,歯性感染症,上・下気道感染症,尿路感染症
10 感染症 4)細菌性心内膜炎,消化管感染症,性行為感染症
11 感染症 5)抗生物質の作用機序:蛋白合成阻害薬,核酸合成阻害薬
12 感染症 6)抗生物質の作用機序:細胞壁合成阻害薬
13 感染症 7)真菌感染症
14 感染症 8)ウイルス感染症
15 統合失調症
16 気分障害(うつ病,双極性障害)
17 てんかん
18 不安障害,睡眠障害
19 アルツハイマー病
20 頭痛
21 パーキンソン病
22 重症筋無力症
23 眼疾患
24 喘息
25 心不全
26 虚血性心疾患
27 不整脈
28 高血圧症
29 利尿薬
30 嘔気・嘔吐
31 消化性潰瘍治療薬
32 便秘,下痢
33 膵炎
34 ウイルス性肝炎
35 貧血
36 動脈血栓症
37 静脈血栓症
38 脂質異常症
39 糖尿病
40 痛風
41 関節リウマチ
42 骨粗鬆症
43 甲状腺機能異常症
44 ホルモン
45 移植免疫
46 癌 1)殺細胞性抗癌剤
47 癌 2)ホルモン・サイトカイン療法
48 分子標的癌治療薬
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