基礎看護[2] 第16版
基礎看護技術

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・看護技術の手順の解説に大きな写真・イラストを多用し、看護を学び始めたばかりの学生が視覚的に理解できるように工夫しました。
・看護技術を実施するうえでの根拠やポイントについては、アイコンをつけてわかりやすく示しています。
・​​​​​​​近年さらに意識の高まる「事故防止」について、その要点を手順の解説に加えました。
・​​​​​​​3章からなる全体の構成は維持しつつ、説明や図表を追加しました。

シリーズ 新看護学 7
執筆 水戸 優子 / 塚本 尚子 / 若村 智子 / 片桐 由紀子 / 金 壽子 / 小林 由実 / 羽根田 晋江 / 舩木 由香 / 堀田 佐知子 / 渡邉 惠
発行 2020年01月判型:B5頁:416
ISBN 978-4-260-03863-8
定価 2,860円 (本体2,600円+税)
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はしがき

学習にあたって
 看護は,たとえば,親が子どもの世話をし,育て,ぐあいがわるいときには付き添い,見まもるという,本能的な愛情ややさしさから発生する,ある意味では誰にでもできる行為である。ただし,看護を専門職として行おうとすると,専門的知識とすぐれた看護技術をもち,しかも他人である対象者に関心を向けて,やさしさや,ときには厳しさをもって援助ができなくてはならない。
 本書を手にする皆さんは,そのような専門職としての看護を目ざして学習に取り組もうとしている。それは,けっして簡単なことではないだろう。しかし,技術を身につけて専門的でよい看護を提供することで,対象者は健康を回復,維持・増進し,あるいは安らかな死を迎えることができる。その過程をともにすることで看護職は対象者から影響を受け,学び,癒され,人間として成長するのである。それが看護のやりがいとなり,看護職継続の意欲へとつながる。そのような看護職を目ざして,ぜひとも学習を積み重ねてほしい。

改訂の趣旨
 本書は1970(昭和45)年に初版が発行され,それ以来,看護を取り巻く社会の変化に伴って改訂を重ね,准看護師教育と看護の質の向上に資すべく対応してきた。今回の改訂では,1人の准看護師として看護実践の場に立つことができるようになるための知識・技術とはなにかをあらためて確認し,項目の整理と内容の総点検をおこなった。また,より深い理解を促すため紙面のまとめかたを工夫した。
 第16版におけるおもな変更点は次の通りである。
(1)手順の解説においては,新たに「事故防止」の要点を明示した。また,手順の流れをとらえるたすけになるよう,見出しを加えた。
(2)各節に「まとめ」と「復習問題」を新設した。
(3)写真やイラスト等を追加・変更し,視覚的にも理解しやすい紙面を目ざした。
 章構成は従来の3章だてを踏襲しつつ,次の点にとくに留意してそれぞれの項目の見直しを行った。
 第1章については,看護師として求められるコミュニケーションについての記述を拡充し,学生としての身だしなみから,対象者の行動変容を促すアサーティブ─コミュニケーションや相談と学習支援までを学べる内容とした。ヘルスアセスメントについては身体の観察だけでなく,心理・社会的側面の観察についても充実化をはかった。「情報収集と看護過程」では,准看護師の実践により即して,項目の整理をおこなった。
 第2章は,「活動の援助」では,安楽な体位に関する写真を追加し,現場での取り入れが進む移動支援機器を写真で紹介するなど,患者だけでなく,看護師の安全との両立が求められる臨床を意識した記述に努めた。また,対象者に合わせた看護が求められる各技術では,手順の単なるコツだけでなく,その理由から理解できるような解説をめざした。
 第3章では,創傷治癒過程の基礎知識を「創傷管理と包帯法」に加えたほか,「与薬」では吸入薬の与薬について項を設け,「検査における看護」では採血における看護の留意点を見直した。写真を大きく配置する第15版のレイアウトを踏襲しながら,看護実践に欠かせない,手順の背景にある考え方までを学べるような構成を意図したのは第2章と同様である。
 編集にあたっては,表現の煩雑さを避けるため,特定の場合を除き,看護師・准看護師に共通する事項は「看護師」と表現し,准看護師のみをさす場合には「准看護師」として示した。また,保健師・助産師などを含めた看護の有資格者をさす場合は「看護職」,広く看護を行う者をさす場合には「看護者」とした。なお,執筆にあたっては,全国の准看護学校から寄せられた貴重なご意見を尊重し,項目の設定や内容を検討する際に参考にさせていただいた。ここであらためて御礼申し上げる。
 本書は,「教科書に書いてある技術と臨床現場で必要とされる技術は別ものだ」とはならないよう,できるだけ現在の,あるいはこれからの臨床現場で必要とされる基本技術と内容を選定した。その構成は,用語の定義,目的,メカニズム,必要物品,事前準備,手順,あとかたづけというように,知識習得から実施までを時系列で示したものとなっている。これによって学生の皆さんが,メカニズムや根拠をふまえて,看護技術を効果的・効率的に習得することを期待する。しかしながら,本書の内容はまだまだ洗練させる必要がある。学生や教員,有識者の方々からの率直なご意見をいただければ幸いである。

 2019年10月
 著者ら

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第1章 看護行為に共通する技術 (水戸優子・塚本尚子・片桐由紀子・金壽子・渡邉惠)
 序.看護技術とはなにか
 A.コミュニケーション
  1.看護実践におけるコミュニケーションの意義と目的
  2.コミュニケーションの要素と過程
  3.コミュニケーションの分類
  4.看護におけるコミュニケーション
  5.効果的なコミュニケーション
  6.コミュニケーションの実際
  7.相談と学習支援
 B.安全・安楽
  1.安全・安楽とは
  2.安全・安楽を阻害する因子
  3.安全・安楽をまもる看護の役割
  4.安全・安楽をまもる技術
 C.姿勢と動作
  1.姿勢とは
  2.体位と肢位
  3.動作とは
  4.ボディメカニクスの原則と実際
 D.感染予防
  1.感染予防とその目的
  2.感染予防の基礎知識
  3.手指衛生
  4.個人防護具(PPE)
  5.無菌操作
  6.リネン類,廃棄物の取り扱い
  7.隔離
  8.院内感染予防
 E.身体および心理・社会的側面の観察
  1.身体および心理・社会的側面の観察とその目的
  2.ヘルスアセスメント
  3.観察の方法
  4.バイタルサイン
  5.身体の測定
 F.情報収集と看護過程
  1.情報の収集
  2.記録・報告
  3.看護過程

第2章 日常生活行動の援助技術 (水戸優子・若村智子・小林由実・渡邉惠・舩木由香)
 A.日常生活行動の援助
  1.日常生活を援助することの意義
  2.日常生活の援助を行ううえでの留意点
 B.環境調整の援助
  1.環境調整の援助とその目的
  2.療養環境の調整
  3.入院患者の生活環境
  4.病床環境のつくり方
  5.ベッドメーキング
  6.リネン交換
 C.活動の援助
  1.活動の援助とその目的
  2.活動に関する基礎知識
  3.安楽な体位の保持
  4.体位変換
  5.関節可動域訓練
  6.移動(移乗・移送)の援助
  7.散歩の意義と方法
 D.休息の援助
  1.休息の援助とその目的
  2.休息の援助における考え方
  3.休息の援助としての睡眠
  4.リクリエーション
 E.衣生活の援助
  1.衣生活の援助とその目的
  2.病床における衣服の機能
  3.衣服の交換と看護
  4.寝衣の交換
 F.清潔の援助
  1.清潔の援助とその目的
  2.清潔の援助に関する基礎知識
  3.全身の清潔
  4.頭皮・頭髪の清潔
  5.口腔の清潔
 G.食事と食生活の援助
  1.食事と食生活の援助とその目的
  2.栄養と食生活に関する基礎知識
  3.食事への援助
  4.食事介助
 H.排泄の援助
  1.排泄の援助とその目的
  2.排泄の援助に関する基礎知識
  3.排泄の援助の基本
  4.尿器・便器を用いた排泄の援助
  5.ポータブルトイレでの排泄の援助
  6.おむつによる排泄の援助
  7.摘便
  8.尿・便失禁時のケア

第3章 診療に伴う援助技術 (水戸優子・小林由実・渡邉惠・堀田佐知子・金壽子・羽根田晋江)
 A.診療の補助
  1.診療の意義
  2.診療における看護師の役割
  3.診察の補助
 B.栄養補給法
  1.栄養補給法とその目的
  2.栄養補給法の基礎知識
  3.経腸栄養法の援助
  4.中心静脈栄養法の援助
 C.導尿
  1.導尿とその目的
  2.導尿の基礎知識
  3.一時的導尿
  4.持続的導尿
 D.浣腸
  1.浣腸とその目的
  2.グリセリン浣腸の基礎知識
  3.グリセリン浣腸の実施
 E.ストーマケア
  1.ストーマとその目的
  2.ストーマの基礎知識
  3.排泄物の処理
  4.ストーマ装具の交換
 F.罨法
  1.罨法の意義と看護
  2.罨法の基礎知識
  3.温罨法
  4.冷罨法
 G.吸入
  1.吸入とその目的
  2.吸入の基礎知識
  3.噴霧吸入(薬液噴霧)
  4.酸素吸入
 H.吸引
  1.吸引とその目的
  2.吸引の基礎知識
  3.一時的吸引
  4.持続的吸引(胸腔ドレナージ)
 I.褥瘡の予防
  1.褥瘡予防の基礎知識
  2.褥瘡の予防とその目的
  3.褥瘡を予防するための援助
  4.褥瘡発生時の対応
 J.創傷管理と包帯法
  1.創傷管理の基礎知識
  2.包帯法とその目的
  3.包帯法の基礎知識
  4.包帯法の実施
 K.与薬
  1.与薬とその目的
  2.与薬の基礎知識
  3.与薬の援助(注射を除く)
  4.注射法による与薬
  5.輸血法
 L.検査における看護
  1.検査とその目的
  2.検査における看護師の役割
  3.検査の基礎知識
  4.検体の採取
  5.採血
  6.穿刺の補助
 M.洗浄
  1.洗浄の基礎知識
  2.洗浄の補助
 N.看取りの援助
  1.看取りの援助とは
  2.看取りのケア
  3.悲嘆への援助

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