内科レジデントマニュアル 第8版
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Ⅱ.症候・疾患編40感染症治療3はadrenaline<0.25μg/kg/分を必要とする場合.D.治療抵抗性敗血症性ショック(refractory septic shock)血圧を上記に維持するために十分な輸液とともにdopamine>15μg/kg/分またはnoradrenaline>0.25μg/kg/分またはadrenaline>0.25μg/kg/分を必要とする場合.E.多臓器不全(multiple organ dysfunction syndrome)敗血症により急性呼吸不全,急性腎不全,黄疸(肝障害),四肢筋肉障害など諸臓器障害を合併した状態をいう.2)細菌性髄膜炎:頭痛,発熱,意識障害,項部硬直3)白血球減少者の発熱:末梢血好中球数500/μL未満で発熱4)CAPD患者の腹膜炎2できる限り早く起因菌を検出するように努める血液培養(異なる部位の静脈から2セット採血),各種検体の塗抹染色(グラム染色,抗酸菌染色など),培養検査,などを行う.3感染症の起因菌を推定し,それらに対する適切な抗菌薬投与(empiric therapy)を開始する(重症感染症:敗血症性ショック,細菌性髄膜炎,好中球減少者の発熱などでは診察後30分以内に)4重症例や複数菌混合感染例では2剤以上の抗菌薬併用で相乗的効果や相加的効果が期待できる場合がある(例①)グラム陰性桿菌(大腸菌など)による敗血症性ショックに対してβラクタム薬(cefepimeなど)にアミノグリコシド(gentamicinなど)を初期に併用することによって相乗的殺菌効果が得られる.(例②)大腸穿孔による腹膜炎に対してグラム陰性桿菌と嫌気性菌をカバーするためにcefotaximeとclindamycinを併用する.5重症ほど殺菌的抗菌薬を大量投与する ①βラクタム薬は投与間隔を短くして,ペニシリン系は4または6時間ごとに投与する.セファロスポリン系は6または8時間ごとに,半減期の長いセフトリアキソンは12または24時間ごとに投与する. ②アミノグリコシド系やニューキノロン系は1回投与量を多くして12または24時間ごとに投与する.6グラム染色と培養検査の結果と臨床的状況を総合して起因菌を診断する

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