内科レジデントマニュアル 第8版
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39感染症治療3Ⅱ 各種感染症の起因菌と初期治療─肺炎ⅠⅠ 感染症に対する抗菌薬治療のポイント1抗菌薬を投与すべき感染症を判別する(緊急的治療を要する感染症)1)敗血症:特に重症敗血症,敗血症性ショックA.敗血症(sepsis)何らかの感染症に起因して,比較的強い全身症状,すなわち次のような徴候が2つ以上みられる場合(SIRS)をいう.①発熱(>38℃)または低体温(<36℃).②頻脈(心拍数>90/分).③呼吸促迫(呼吸数>20/分)またはPaCO2<32mmHg. ④末梢血白血球数>12,000/μLまたは<4,000/μLまたは桿状核球10%以上.B.重症敗血症(severe sepsis)上記Aに加えて,次のような諸臓器血流低下の徴候を少なくとも1つ以上示す場合をいう. ①意識精神状態の変化(反応が鈍い,傾眠,落ち着きがない,不穏など).②急性肺障害,急性呼吸窮迫症候群(ARDS).③尿量低下(<0.5mL/kg/時が少なくとも1時間以上).④lactate>2mmol/L.⑤血小板数低下<10万/μL.⑥DIC.⑦心臓機能低下(心臓エコー検査で)など.C.敗血症性ショック(septic shock) ①上記敗血症症状は著明となり,輸液によっても血圧が低下し,収縮期血圧<90mmHg,収縮期平均血圧が<60mmHg,高血圧の人では<80mmHgである場合をいう. ②血圧を収縮期平均血圧>60mmHg,高血圧の人では>80mmHg以上に維持するために,十分な輸液とともにdopamine>5μg/kg/分またはnoradrenaline<0.25μg/kg/分また感染症治療infectious diseases treatment3

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