医学書院の70年
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1967.03.20礎工事を開始,1973年9月30日に完成した。既存部分を改修して二つのビルを連結し,地上7階,地下2階の鉄骨・鉄筋コンクリートのビルとなった。6階には「ビデオ撮影スタジオ」用のスペースを設けたが,本来の目的で使用されることはないまま,のちに資料室になった。地下1階は食堂と和室の休養室を設えた。著者のなかにはこの和室を原稿執筆の場所として好む先生がおられ,重宝された。地下2階は電気室であった。また,2階には会議室があり,特に東大側の室内からは東大構内の緑が借景となって心地よく,編集会議に訪れた先生方に大変好まれた。 金原元は,このビルで専務として1974年の労働争議を経験し,同年8月1日には社長に就任,そして1978年9月9日に54年の生涯を終えた。この社屋には金原元の思いが詰まっている。 社業の発展とともに新社屋も狭くなり,大幅な改修が必要となった。1993年3月,工事を始めるに当たり都営地下鉄三田線「千石駅」近くのキタムラビルの仮社屋に出版部門を中心に一時移転。1993年12月に改修を終えた新社屋に戻っている。かつてスタジオがあった6階の天井部分には役員室を,屋上にレクリエーション室を設けた。 増改築を繰り返したビルは,本社が現在の本郷一丁目に移転する2007年4月まで存続していた。現在はこの地には専門学校が建っている。上:新社屋フロア案内(増築後)Above: Floor information of the for-mer company building after 1973 addition.右ページ:改修を終えた新社屋(1993年/本郷通り側より)Opposite page: The former company building renovated in 1993 (The view from the side of Hongo Street).70 years of igaku-shoin082

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