医学書院の70年
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第1回医学書院看護学セミナーが催されたのは1962年4月27日のことである。演題と演者は「看護の将来」(林塩),「看護婦の人間関係」(堀川直義),「看護と病態生理」(日野原重明),場所は東京の両国公会堂であった。この数百人規模の無料セミナーは読者への利益還元の意味をもった社の文化事業の一環であり,講演形式による情報提供の場として継続され2013年末までに第147回を数えている。第1回は日本看護協会総会の際に開催されたが,現在でも日本看護協会看護教育分科会,同看護管理分科会の日程に合わせた開催となっている。 1980年からは看護教員養成課程等の研修会に際して「医学書院看護教育セミナー」を行ってきたが,2001年にはその名を改め,「医学書院看護教員“実力養成”講座」とした。 他社とのタイアップとしては1999年から開かれている「朝日看護セミナー」がある。朝日新聞社の自社ホールで開かれるものだが,社はここでセミナーのテーマ,演者というソフト部分を提供している。また,製薬会社と共催の各種セミナーも開かれている。 2007年5月に新社屋に移転してからは,社の会議室を利用する比較的小規模なセミナーが増えた。看護では著者と読者の気軽な交流を目指したナーシングカフェが,理学療法では「理学療法教員サポートセミナー」「介助に生かすバイオメカニクス」セミナーが,医学系では「認知行動療法」関連セミナー,雑誌『JIM』の特集や『週刊医学界新聞』のシリーズ企画「この先生に会いたい」の公開収録などが行われている。 2011年11月には出版物の発刊を記念し,医学書院看護特別セミナーとしてパトリシア・ベナー博士を招聘。横浜と京都の2会場で3日間にわたり講演が開かれ,延べ3,000人の受講者が集まった。第1回医学書院看護学セミナーで講演する林塩氏(1962年4月27日/東京・両国公会堂)̶日本看護協会総会に際し,看護学セミナーを開催した。以後今日まで毎年開催されている。Ms. Shio Hayashi giving a lecture at the rst Igaku-Shoin Nursing Seminar (April 27, 1962/ Tokyo).̶Since then, the Igaku-Shoin Nursing Seminar has been held every year at the time of the Gen-eral Assembly of the Japanese Nurs-ing Association.069

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