医学書院の70年
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1959.06.20『今日の治療指針』発行この日,石山俊次(当時,関東逓信病院外科部長),日野原重明(当時,聖路加国際病院内科医長),渡辺良孝(当時,東京厚生年金病院内科医長)の3先生の編集による治療年鑑『今日の治療指針』が創刊された。 「日本のSpringerになりたい。立派な学術書・研究書を作りたい」という父 金原一郎の創業時からの夢を共に追いかける一方で,当時専務の金原元は医療の底上げに貢献する出版物を作ることに出版人としての夢を感じていた。それを形にしたのが『今日の治療指針』であった。本書は,一般医家を対象に,専門分化する内科各分野の“最も信頼できる治療法”を全国のその領域の権威ある専門家に執筆していただくという刊行趣旨であった。本書を編集するうえで参考にしたのが,米国のW.B.Saunders社発行のConn: Current erapy(1949年創刊)であったが,原則として毎年執筆者を新たにし,執筆者自身が“私はこう治療している”と治療法を推薦するコンセプトの書は,少なくとも国内では類をみないものであった。 発行の翌年,1960年版が1万部を突破したことを記念し,1960年7月10日には熱海の青木館で特約店総会が開催された。1961年版からは専門分化に対応するために編集協力者を起用する体制がとられ,これが内容上の見直Publication of Today’s Therapy70 years of igaku-shoin058

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