医学書院の70年
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1955.12.01洋書部創設当時専務であった金原元は,来訪したOtto Schafer氏から洋書輸入開始のきっかけを得た(「あるBookmanの来訪」46頁参照)。医学書院洋書部創設に先立つ1952年冬のことであった。金原元は翌1953年5月にはドイツとスイス医書出版社を,また,1954年8月には米国からドイツに渡り両国の医書系出版社を歴訪した。洋書輸入業務促進と翌1955年の医学会総会時の展示会開催準備のためであった。 この第14回日本医学会総会(1955年4月1日~,京都)では京都大学の教室を借りて洋書展示会を開催した。各科別に欧米の新刊医学書約5,000点を展示したところ,連日入場制限をするほどの人で溢れ,高名な教授2人が1冊の本を取り合って仲裁に苦労したというエピソードも残っている。この展示会は社の存在感を高めるのに大いに貢献し,1955年12月1日の洋書部創設ならびにその後の発展へとつながっていく。 洋書部は販売部への再統合,洋書部再創設を経て,1963年4月,本郷1丁目のユアサビルに移転した。出版業との業態の違いから1965年には独立採算制を取ることとし,洋書事業部に昇格した。さらに1968年2月2日に洋書事業部を別会社とする計画が発表され,同年11月,事務所も鳳鳴ビルに移転した。その後数か月に及ぶ社内討議の結果,1969年6月末に計画は白紙に戻され,事業部制も解消された。Launch of the Foreign Publications Department社で発行したDorland医学辞典第25版のアジア版。背表紙にはIGAKU-SHOINの名も入っている。Authorized reprint edition (so-called Asian edition) of Dorland’s Illustrated Medical Dictionary 25th edition published by Igaku-Shoin Ltd. 70 years of igaku-shoin054

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