医学書院の70年
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書店,岩波書店,オーム社,コロナ社,共立出版,養賢堂といった老舗の出版社が当時の会員として名前を連ねている。ちなみに社からは1951年に金原一郎が,1973年には金原元が理事に就任している。 終戦後しばらくの間,出版社が最も苦労した問題は印刷用紙の入手であった。記録によると専門書の協会を設立したことにより印刷用紙の優先的割当を受けられるようになったと報告されており,むしろこの協会は,戦後の復興に必要な自然科学系の専門書の発行継続を確保するために設立された団体であった。その後1951年に社団法人となり,2012年には公益法人制度改革に伴い一般社団法人として事業を継続。2013年7月18日には医学書院社長の金原優が理事長に就任した。 自然科学系の専門書はその利用目的から厳格な正確性が求められる。また,特定の読者を対象とするため発行部数は少ないものの,一方で公共的・公益的な使命から,限られた読者層のなかではできるだけ多く利用される必要がある。自然科学書協会ではこうした自然科学書特有の問題を踏まえ,専門書出版社の立場として著作権保護と著作権制度の見直し,専門書の幅広い流通を確保するための再販制度の維持ならびに国内外のブックフェアにおける展示活動,消費税対応,一般国民向けのセミナー・講演会の開催などを実施し,自然科学の促進に寄与する活動に積極的に取り組んでいる。現在の会員数は69社(団体)となっている 。自然科学書協会第63・64期役員(2013年7月)The board members of the 63rd and 64th board of directors (July 2013).205

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