医学書院の70年
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竣工式で挨拶する社長の金原優Yu Kanehara greeting the partici-pants at the ceremony marking the completion of the distribution center. 新倉庫の設計にあたっては,まず周辺環境に配慮し,地域の商業施設や戸建住宅などと調和するよう低層建物とし,建物の高さを10m未満とした。 また,商品を外的負荷から守る高性能なシェルターとして,浸水被害回避のため1 階床を草加市ハザードマップレベルよりも高く設定し,受変電設備を建物内部に格納。屋根は漏水の恐れの少ない構造設計とし,避雷設備を自主設置した。自動倉庫内には日光が入らず,屋根・外壁ともに断熱性能の高い仕様とした。 荷下ろしエリアは入出荷のしやすい快適な機能性を追求。大きな庇で覆い,大型トラックがウイング全開可能な高い天井を備え,西日や冬季の季節風を軽減する防風壁を設置して半屋内的に活動できる空間とした。 ライフサイクルコストや省エネルギーにも配慮し,建物の断熱資材・全熱交換換気扇・節水器具・自動点滅制御サニタリー照明・高効率照明器具・高効率サイン照明を採用。外壁は耐久性の高いフッ素塗装を施した。 建物の外観は重厚さと落ち着きを併せ持ち,建物西側には,本社ビルと同質の特製タイルを打込んだ列柱状の壁を緩やかに連続させた。国道4 号線沿いに商業施設が建ち並ぶ風景のなかで,派手さによらない視認性の高い建物となった。 新たな在庫保管場所,物流拠点として2009年9月に着工した草加流通センターは,翌年3月15日に竣工。在庫および備品の移転作業を経て,5月10日に無事初出荷することができた。195

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