医学書院の70年
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2001.04.01金原優,文化審議会著作権分科会委員に就任2000年6月に日本書籍出版協会の著作・出版権委員会(現・知的財産権委員会)担当副理事長に推挙されたことに伴い,2001年4月1日,社長の金原優は文化庁の文化審議会著作権分科会委員に任命され,以降,出版界の代表者として著作権行政に関する発言をしていくことになる。2012年3月に退任後,同年5月13日には新設の出版関連小委員会委員に選任されている。 文化審議会著作権分科会は著作権法改正が討議される場で,分科会内に複数の小委員会が設けられているが,金原優は法制問題小委員会,契約流通小委員会,過去著作物小委員会,出版関連小委員会,および情報小委員会〔小委員会内ワーキングチーム(WT)としての「図書館における著作物の利用に関するWT」,「著作物などの教育目的利用に関するWT」〕に出席して,出版者の立場から発言している。その他,2010年に文化庁に設置された「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議」にも構成員として出席し,①デジタルネットワーク社会における図書館と公共サービスの在り方,②出版物の権利処理の円滑化,③出版社への権利付与,について意見を述べている。 最近の出版業界の著作権関連には,大きく分けて二つの課題がある。「権利制限拡大」と「出版者への権利付与」である。 「権利制限拡大」の動きとしては,薬事法関連権利制限や図書館関連権利制限,日本版フェアユースの導入などがある。これらは利用者の利便性または経済発展が促進されると期待する声がある一方で,出版者や著作権者の利益を著しく損なう可能性が大いにあり,その結果,健全な創作意欲を削ぎ,知的文化庁から発行されている『著作権法入門』The cover of the book entitled Intro-duction of Copyright Law edited by the Agency for Cultural Affairs and published in 2013.Yu Kanehara’s Accession to the Position ofMember of the Deliberative Council onCopyrights within the Agency for Cultural Affairs70 years of igaku-shoin170

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