医学書院の70年
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社(者)に還元することである。 JCLS社長には,日本書籍出版協会副理事長であった金原優が就任した。2001年8月には64社から書籍7,716点,雑誌141点の委託を受けていた。許諾業務を開始した直後の2002年4月,最大の複写利用者である製薬企業の団体と話し合いを開始,2008年2月に最終的な意見の一致をみて,各製薬会社との利用契約を進めることになった。また,2007年11月には文化庁により著作権等管理事業者資格を得て,JCLSが独自に複写使用料を決定できるようになった。この結果JCLSの財務状況も改善し,余裕をもった出版社(者)への複写使用料分配が可能になった。金原優は2005年4月に社長を退任し, その後,著作権管理団体の統合に向けた道を模索することになる。 2005年6月,出著協会長に就任した金原優は,JCLSと出著協の業務統合を図り,2009年4月一般社団法人出版者著作権管理機構(JCOPY)を誕生させた。代表理事は当時日本書籍出版協会理事長の小峰紀雄氏(小峰書店社長)であった。最終的にはJCLS(およびその後継組織であるJCOPY)がJRRCと統合することを目指して,2006年以降JRRC内で使用料規程改定の話し合いがもたれていたが,今日まで8年間の討議でもまとまることはなく,統合の望みは消えかけている。この間,JCLSは2011年にその全業務をJCOPYに引き継ぎ解散している。その後,JCOPYは大きく成長し,2014年8月1日現在,290社から書籍135,890点,雑誌852点の委託を受けるに至っている。一般社団法人出版者著作権管理機構(JCOPY)への委託出版物であることを示す表示The logo and message on the copy-right page of the published material showing that JCOPY is entrusted to license reproduction of this copy-righted material.169

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