医学書院の70年
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1986.07.01『別冊看護学雑誌 JJNスペシャル』創刊Publication of the JJN Special SeriesSupplementary Volumes to The Japanese Journal of Nursing看護の総合雑誌を目指して発行していた『看護学雑誌』(JJN ; e Japanese Journal of Nursing)の創刊50巻を機に,号外別冊として1986年7月1日に『別冊看護学雑誌 JJNスペシャル』が創刊された。時代の流れなどさまざまな要因から,販売部数が低迷する『看護学雑誌』の窮状を打開しようと,特集テーマの選定,連載記事などを模索したが,思うような成果を上げることができなかった。そこで新たにこの別冊を発行することとなった。 当時は雑誌と書籍の性格を併せ持つムック全盛の時代であり,雑誌の大型化,ビジュアル化が大きな潮流となっていた。『JJNスペシャル』は,その流れを取り入れ,AB判,2色刷り,イラストや写真を多用してビジュアルな誌面構成を目指したムックとした。 徹底したテーマ別編集で,より専門性の高い情報を1冊に―というコンセプトで編集された。ちなみに創刊第1号のテーマは「癌性疼痛―コントロールとケア」であった。 一方,『JJNスペシャル』のなかでも特に好評であった雑誌のリメイク版として,1988年5月に初めて発行されたのがJJNブックスシリーズである。『JJNスペシャル』は雑誌扱いであったため増刷ができず,初回印刷部数を売り切ると品切れになっていた。そのため,読者の要望に応えて増刷も可能になるとの考えから,体裁を作り直して単行本にしつらえ直したのである。臨床ですぐに役立つ技術から基礎知識までをビジュアルな紙面にパッケージして,看護学生,新人看護婦(当時)のための参考テキストとして書籍化した。 JJNブックス第1号は「バイタルサイン―診かたからケアの実際まで」をテーマとし,1988年に発行されたが,四半世紀を過ぎて今もなおリビングタイトルとして販売されている。「絵でみる脳と神経」のように,版数を重ね広く医学生や研修医にまで読まれているものもある。70 years of igaku-shoin126

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