医学書院の70年
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1984.08.18創業40周年を迎えるFortieth Anniversary of Igaku-Shoin Ltd.社の創立日は1944年8月18日とされている。これは,前身の「日本医学雑誌株式会社」が設立された日に当たる。母胎としての日本医学雑誌株式会社から書籍部門の発行所として「株式会社学術書院」を創設し,その後2社を合併して,両社の名称から「医学」と「書院」をとって「株式会社医学書院」と命名。今日の社の基礎ができあがった。登記されたのは1950年12月1日である。その後,1951年9月,当時社長の今田見信氏が退社し,医歯薬出版株式会社を設立した。医学書院からは雑誌6誌とベテラン社員数名を移譲している。 多くの曲折を経て1984年8月18日,社は創業40周年を迎えた。当日は特段の行事はなく,社長であった長谷川泉が社員向けに「医学書院の40年」と題する創業以来の歩みを社内報で概観し,経営上の危機を二度も迎えながら,いずれも全社をあげて乗り切ったことに触れている。すなわち一つは医歯薬出版の分離独立(上述),二つ目は1974年の2か月にわたる争議である。 翌月の9月14日,帝国ホテル孔雀の間において「医学書院四十年記念のつどい」が催され,第36回フランクフルトブックフェア会期中の10月4日には,当時常務であった金原優がホスト役となり,医学書院40周年記念パーティも行われた。また,9月14日付で社史『医学書院四十年 1944-1984』が刊行された。この社史は,来たるべき50周年に向けて古い資料を整理しておくという意図で企画されたものである。そもそも社は,それまで常に前方を直視し歩み続けてきたため,従来社史といえるほどの資料の整備をしてこなかった。幸いにも,散逸していた貴重な写真や書類が社の書棚や倉庫から多数収集でき,これに個人所蔵の資料も加わり充実した一冊となった。書籍3,900点余と業務内容の編年体リストに加え,雑誌の変遷,機構・組織の推移,営業・PR活動,海外展開,出版物の受賞歴,などについても詳細にまとめられ,社の記録として極めて貴重な史料である。「医学書院四十年記念のつどい」で挨拶をする常務(当時)の金原優(1984年9月14日/帝国ホテル)Yu Kanehara, Vice President at that time, giving a welcome address at the banquet commemorating the fortieth anniversary (September 14, 1984/Imperial Hotel, Tokyo).70 years of igaku-shoin120

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