医学書院の70年
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1979.07.19による日本語版の発行・発売は創業後,直ちに準備に入り,1981年に最初の書籍を発売して以降,順調に点数を増やし,ベストセラーも出現するようになった。なかでも日本語版『ワシントンマニュアル』は原著に合わせて改訂を重ね,研修医の必携書として揺るぎない評価を得ている。これは原著の優れた内容に加えて訳のクオリティと迅速な発行を同時に実現していることの結果でもあり,“翻訳出版のMEDSI”という国内外での評価につながっている。 翻訳出版については,LB社以外の出版社との連携も積極的に進めてきた。特にフランクフルト国際ブックフェアには毎年欠かさず参加して,多くの海外出版社と良好な関係を築き,信頼関係を保ちながら,優れた企画の発掘に努めてきている。実際,現在のMEDSIを代表する翻訳書『ハリソン内科学』はこのフェアが実現の端緒であった。2003年の初版以来4版を重ね,医学生から研修医,経験深い臨床医まで幅広く,高い評価と支持を得ている。 1998年,LB社が医学部門からの撤退を決めたことを受けて合弁契約が解消され,MEDSIは医学書院の100%出資会社となった。これと同時に洋書および洋雑誌の輸入・販売業務を終了し,以降は出版に専念することとなる。この間,1994年に最初の雑誌,麻酔科領域の月刊誌『LiSA』を創刊。同領域での確固たる地歩を築く契機となった。雑誌はこのほか,2010年に季刊誌『INTENSIVIST』を,2013年に同じく季刊誌『Hospitalist』を創刊。これら雑誌を含むオリジナル企画による出版の比率を,定評ある翻訳出版と同等にまで引き上げることを目指している。創業時,社長以下5名であった社員数は,現在30名を超えた。70 years of igaku-shoin110

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