レジデントBOOKカタログ 2025
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専門医試験対策● 内科系専門医試験 解法へのアプローチ 第3集 ● 内科系専門医試験 解法へのアプローチ ● 内科系専門医試験 解法へのアプローチ 第2集 I2(PGI2)と内皮型NO合成酵素の低下,血管収縮因子エンドセリン-1の相対的上昇をきたす.8○○╳○╳○╳○○╳○╳╳○○╳○○╳○○循環器巻末正誤問題循環器1 この疾患の説明として正しいものはどれか.2つ選べQuestion 27歳の女性.息切れと下腿浮腫を主訴に来院した.症状は1か月ほど前に出現して徐々に増悪してきたという.4日前には買い物途中の坂道で失神して倒れてしまったとのこと.身長157cm,体重53kg.体温36.4℃,脈拍90回/分・整,血圧100/50mmHg,呼吸数20回/分.SaO2 97%(室内気).診察時,頸静脈の怒張が認められた.家族歴と既往歴に特記すべきことなし.服薬歴,ペット飼育歴,アレルギー,妊娠出産歴,流産歴なし.尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-).血液所見:赤血球450万/μL,白血球5,000/μL,血小板15万/μL. 心臓超音波所見を示す.心臓超音波所見6)a治療薬にエンドセリン受容体拮抗薬があるb心臓聴診にてⅡ音は減弱するcプロスタサイクリンの投与は推奨されていないdチロシンキナーゼ阻害薬の適応があるe肺動脈楔入圧(PCWP)は25mmHgを超える正解 1:a,d解法へのアプローチ臨床アドバイス32室中隔の左心室側偏位が特徴的.次に右心カテーテルで安静時平均肺動脈圧≧25mmHgかつ肺動脈楔入圧(PCWP)≦12mmHgを確認して確定診断(e).胸部単純X線写真では左第2息切れ,下腿浮腫,頸静脈怒張は右心不全弓の拡大.心電図では肺性P波の出現.肺換徴候.遺伝や薬剤によるものは否定的.超気シンチグラムは正常~解剖学的区域に一致し音波所見で右心室拡大と心室中隔の左心室ない不規則血流欠損像で,これは肺塞栓症の鑑側偏位がみられ,特発性肺動脈性肺高血圧別に有効.症(idiopathic pulmonary arterial hyper-治療NYHAⅡ,Ⅲはボセンタン250mg/tension;IPAH)を考える.本症のPCWP日分2経口投与(a).不十分例やNYHAⅣは(pulmonary capillary wedge pressure)はエポプロステノール持続静注.開始は1~正常.2ng/kg/分.3~7日ごとに1~2ng/kg/分ずつ増量して最大投与量は経験的に決める.ボセン病態生理肺血管内皮細胞には血小板由来成長タンとエポプロステノールの併用効果は不明.因子受容体(PDGFR)の過剰発現とモノクローPDGFR(platelet-derived growth factor)アンタナルな増殖がみられる.また,本症の25%はゴニストのイマチニブも適応(d).抗凝固薬もBMPRⅡ遺伝子の異常により細胞死の誘導が有効.内科治療無効例は肺移植.障害されて血管平滑筋が増殖している.つまり,本症は内皮細胞の腫瘍性増殖と理解することもできる.最終像は肺動脈の中膜肥厚と内膜シルデナフィル経口はボセンタンとエポプ線維化.内皮障害は血管作動性物質のバランスロステノールのどちらに併用しても効果をも崩し,血管拡張因子のプロスタグランジン的.NYHAⅡ,Ⅲの症例ではまずボセンタンを使用し,足りなければシルデナフィルを併用.さらに不十分例ではシルデナまた,正常内皮を失った血管は血栓症を起こしやすい.まとめるとIPAHは「血管壁リモデリフィル+エポプロステノールに切り替えるという治療例を記す.ング」,「血管収縮」,「血栓」の3要素により肺動脈抵抗が上昇する疾患と理解できる.肺動脈抵抗上昇は右心室後負荷増大をきたすため,右予想問題 心室は求心性肥大する.発症早期は収縮力増強により右心室拍出量を維持するが,後負荷増大ているものはどれか.1つ選べが右心室の限界を超えると右心室がうっ血してa胸部単純X線写真で左第2弓の突出特発性肺動脈性肺高血圧症の検査として誤っ拡張する.これにより心室中隔が左心室側に偏b肺動脈楔入圧は正常範囲内位し,左心室狭小化と大循環不全が生じていc心臓超音波で心室中隔の右心室側偏位く.d心電図で肺性P波の出現31主要症候肺動脈が30%程度障害されるまでは無症状.初期症状は労作時呼吸困難,倦怠感,動悸,胸痛.身体所見はⅡp亢進(b),e肺換気シンチグラフィで解剖学的区域に142一致しない血流欠損像Raynaud現象,三尖弁領域での収縮期雑音(三尖弁逆流症),肺動脈弁領域での肺動脈拍動触知.下腿浮腫,腹水,頸静脈怒張など右心不全正解 c 左心室側偏位徴候や失神がみられる例は進行例.検査心臓超音波検査での右心室拡大と心消化器自己免疫性膵炎□□ 自己免疫性膵炎の合併疾患にMikulicz病があ る □□ 自己免疫性膵炎はIgG4関連疾患であ る 胃食道逆流症□□ 胃食道逆流症であれば食道内視鏡で必ず異常がみられ る □□ 胃食道逆流症の主要症候に嚥下障害があ る 原発性胆汁性肝硬変□□ 原発性胆汁性肝硬変はERCPで数珠状胆管狭窄をきた す □□ 原発性胆汁性肝硬変の症候に強い痒みがあ る 食道アカラシア□□ 食道アカラシアは新生児に好発す る □□ 食道アカラシアの症候に胸痛があ る 特発性食道破裂□□ 特発性食道破裂では嚥下で悪化する胸痛をきた す □□ 特発性食道破裂は下部食道右壁に好発す る 胆囊腺筋腫症□□ 胆囊腺筋腫症の合併症に胆石があ る □□ 胆囊腺筋腫症は胆囊癌を合併しやす い 上腸間膜動脈閉塞症□□ 上腸間膜動脈閉塞症では発症早期からの反跳痛が特徴的であ る □□ 上腸間膜動脈閉塞症のリスクに心房細動があ る 閉鎖孔ヘルニア□□ 閉鎖孔ヘルニアの診断には腹部CTが有効であ る □□ 閉鎖孔ヘルニアは若年女性に好発す る 循環器高安動脈炎□□ 高安動脈炎の治療に血管形成術があ る □□ 高安動脈炎の関連遺伝子にHLA-B52があ る 心臓粘液腫□□ 心臓粘液腫は右心房に好発す る □□ 心臓粘液腫で家族性があるものには内分泌異常を伴う型があ る 閉塞性血栓性血管炎□□ 閉塞性血栓性血管炎(Buerger病)は静脈炎も起こ す 巻末正誤問題Dr.孝志郎による内科系専門医試験対策問題集がついに登場!『 内科系専門医試験 解法へのアプローチ』よりB5 160頁 定価5,500円 (本体5,000円+税10%) [ISBN 978―4―260―01809―8]  B5 160頁 定価5,500円 (本体5,000円+税10%) [ISBN 978―4―260―02399―3]  B5 120頁 定価5,280円 (本体4,800円+税10%) [ISBN 978―4―260―04963―4]  sample内科専門医 | 73Dr.孝志郎による、内科系専門医試験受験にあたってこれだけは押さえておきたい重要テーマ・頻出テーマを厳選した問題集。問題はすべてオリジナルで、内科系専門医試験の出題範囲を網羅する。解説ページでは、正解にいたるまでの思考プロセスをポイントを絞って惜しみなく披露。試験対策ばかりでなく、Dr.孝志郎ならではの診療のコツも伝授。試験直前のおさらいに最適な巻末正誤問題付き。内科系専門医試験 解法へのアプローチ著 藤澤 孝志郎

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