編 聖路加国際病院 内科専門研修委員会手技・その他/10血管外漏出手技・その他/1013血管外漏出●B6変 ●474頁 ●定価3,740円 (本体3,400円+税10%)[ISBN 978―4―260―03613―9] ステロイド剤疾患概念急性腎障害(acute kidney injury;AKI)は急速に腎機能が低下し,体液恒常性が破綻する状態である.AKIを呈した患者は,死亡リスクが高く予後不良であるため,早期に鑑別診断を進めつつ対症療法ならびに腎保護・腎機能回復を図る.診断の要点❶ 定義AKIは血清Cr値や尿量の変化から定義される(表1).ステージ血清Cr値尿量ベースラインから1.5~1.9倍上昇(7日以内) or 0.3mg/dL 以上上昇0.5mL/kg/時以下が6~12時間持続2ベースラインから2.0~2.9倍上昇0.5mL/kg/時以下が12時間以上持続ベースラインから3.0倍以上上昇or 血清クレアチニン値≧4.0mg/dL or 腎代替療法の導入or 18歳未満の患者ではeGFR<35mL/分/1.73m20.3mL/kg/時未満が24時間以上持続or 12時間以上無尿❷ 鑑別診断a. 腎前性▪脱水,出血,ショック,うっ血性心不全,ネフローゼ症候群,肝硬変▪薬剤:NSAIDs,ARB,ACE阻害薬内服b. 腎性(腎実質性)▪血管性:腎梗塞,腎動脈狭窄,腎静脈血栓▪糸球体腎炎:急性糸球体腎炎,血管炎,HUS/TTP▪尿細管壊死(ATN)•虚血性:遷延する腎前性腎不全216425大分類一般名商品名ダカルバジンダカルバジン423シスプラチンブリプラチン・ランダオキサリプラチンフルオロウラシルエルプラット5-FU次に危険壊死性薬剤low vesicant potentialミトキサントロンノバントロンパクリタキセルタキソール・アブラキサンドセタキセルワンタキソテールエトポシドエトポシドエリブリンハラヴェンベンダムスチントレアキシンシクロホスファミドエンドキサンイホスファミドイホマイド抗がん剤中程度危険炎症性薬剤ブレオマイシンブレオカルボプラチンパラプラチンゲムシタビンジェムザールイリノテカンアムルビシントポテシンカルセドピラルビシンテラルビシンアクラルビシンアクラシノンエノシタビンL-アスパラギナーゼサンラビンフルダラビンロイナーゼフルダラ37レボホリナートカルシウムニムスチンアイソボリン・レボホリナートニドラン危険度低い非壊死性薬剤シタラビンキロサイドメトトレキサートメソトレキセートインターフェロンインターロイキン37表1 (続き)表1 AKI分類(国際腎臓病学会)0.1%アクリノール液湿布血管外漏出範囲血管外漏出範囲ステロイド軟膏外用皮下注射範囲❷ 皮膚障害を認める薬剤以下の薬剤は特に注意が必要.①▪抗がん剤(壊死性薬剤):アントラサイクリン系,ビンカロイド系,タキサン系②カテコールアミン:ノルアドレナリン,ドブタミン③蛋白分解酵素:ナファモスタット④▪高浸透圧薬:造影剤,マンニトール,グリセオール,50%ブドウ糖液,ビーフリード⑤▪その他:バンコマイシン,シプロフロキサシン,アシクロビル,ニカルジピン,フェニトイン❸ 抗がん剤の皮膚障害▪▪抗がん剤は生じる皮膚障害の程度により3種類に分類される.•▪▪壊死性薬剤(vesicant▪drug):少量の漏出でも水疱性皮膚壊死を生じ,難治性皮膚潰瘍を生じる.•▪▪炎症性薬剤(irritant▪drug):局所での炎症を起こすが潰瘍形成までには至らない.•▪▪非壊死性薬剤(non-vesicant▪drug):多少漏れても炎症や壊死を生じにくい.▪▪壊死性薬剤の中でもアントラサイクリン系の抗がん剤は皮膚障害の程度が強く,トポイソメラーゼⅡ阻害を機序として細胞障害を抑制する薬剤としてデクスラゾキサン(サビーン)を使用する.聖路加の内科研修がこの1冊に。研修医に求められることがわかる! | シリーズ4 目次や立ち読みはこちら>>sample25急性腎障害研修医の定番「内科レジデントマニュアル」渾身の大改訂!チーフレジデント、専門医、内科研修専門委員会がここに結集。聖路加内科が教える「研修医が行う、夜間の緊急処置や入院時の初期対応を、安全に実施するためのすべて」をまとめた、真のマニュアルが完成した。改訂により実用性がアップし、すぐに役に立つだけでなく、さらに聖路加内科の標準化医療も示す手順書・指針。内科レジデントマニュアル第9版
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